ブラジル俳句留学記
〔4〕天地
中矢温
先日サンパウロ大学内のCasa de Cultura Japonesa「日本文化研究所」に行ってきた。三階のBiblioteca Teiiti Suzuki「鈴木悌一図書館」に着くと、ドアに張り紙があった。曰く来館希望の前日の14時までの事前予約が必要らしい。
帰りのバスのなかで予約メールを送信すると、すぐに返信が返ってきた。私は5冊の貸出予約をしたのだが、内2冊は所在不明で貸し出せないらしい。つまり、目録データにはあるが、本棚にはないということだ。思わずメールで「何があったのですか、図書館の引っ越しですか?研究者の私物化ですか?」と聞いてしまったが、「ご不便を申し訳ございません」という回答だった。結局そのまま3冊の貸出を依頼してスマホを閉じた。
帰宅してホームステイ先のアナ先生にこの憤りを話したところ、「ブラジルでよくある酷いことの一つ」とのこと。アナ先生は「物質至上主義」たるアメリカのことがあまり好きでないのだが、それでも「アメリカの図書館は確かに素晴らしい!」と認めていた。
さて、予約をした日時に来館し、受付の学生から本を受け取ったあと、「俳句関係の本が見たい」というと、「ご自身で棚を見ていいですよ」とのお返事が!嬉々としてカウンター脇の別室に向かうと、俳句の本以外にも、日本語で書かれた移民関連の資料や、学会誌や、辞書などが所狭しと並んでいた。日本では読むことのできない本が多数あり、心躍った。
歩きながら本棚を眺めていると、不思議なことに気が付いた。時々天地が逆のまま収められている本があったのだ。一冊だけかと思って直すと、下の段にまた逆の本がある。なかには天地が逆のままラベルが貼られている本もある。直せば直すほど何だか微笑んでしまうような悲しいような不思議な気持ちになってきた。天地が逆でも本は傷まない。多分誰も困っていない。それでも何だか意地になってしまって、端から端まで天地を全部戻していった。
借りられなかった2冊の本の他にも、読みたい・読むべき本はたくさんあるし、研究留学なのだから読むことや入手自体が目的になってはいけないし、まずは入手できた本の精読や選抜に取り組むべきだろう。それでもやはり手に取ることの叶わなかった本のことは気がかりで、隣の席の学生に教えてもらった古本屋サイトや街の本屋をついつい巡ってしまうのだった。
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ポルトガル語版(日本語版の超要約です! 翻訳機能等でお楽しみください。現在形と単純過去ではない、現在完了の時制を初めて使うことができました。)
Eu visitei a Biblioteca Teiiti Suzuki na Casa de Cultura Japonesa na USP. De verdade, quando pedi os cinco livros por e-mail, eles já tinham perdido dois de cinco. Que pena totalmente! Os livros no biblioteca são o tesouro público... Por causa da mudança do endereço da Biblioteca ou alguns pesquisadores tornaram sua propriedade pessoal?
No dia, uma funcionária me deixou entrar e ver estantes de livros! Que sorte! Eu selecionei alguns livros andando entre estantes. De repente, eu descobri uma coisa. Às vezes há livros colocados de cabeça para baixo. Eu sei que é sem problema, mas eu consertei todos porque senti como se livros choraram.
Eu vou tentar ganhar os dois livros que talvez ficam no Brasil. Atualmente, primeiro eu devo ler e entender conteúdos os três livros...! haha
通学路で見かけた猫
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