2023-10-15

小笠原鳥類 深夜音楽

深夜音楽

小笠原鳥類


高橋修宏『鈴木六林男の百句』(ふらんす堂、〈百句シリーズ〉、2023)から七句

蛇を知らぬ天才とゐて風の中

ウサギが、ムカデと犬の絵を描く蛙。両生類数百メートルのようなもの(図鑑・版画・点)

生き残るのそりと跳びし馬の舌

楽器を、アコーディオンだと思ってテーブルが、きのこ(きくらげ)のように見るだろう布(魚)

降る雪が月光に会う海の上

銀色が、シーラカンスであるリュウグウノツカイ(水槽と金属と、体操)箱が並んでいた棚・お菓子

いつまで在る機械の中のかがやく椅子

クチバシのような靴と、ペンギンが食べるだろう肺魚(靴のような、クチバシ)鱈。

暗い地上へあがつてきたのは俺かも知れぬ

ヒトデについて調べるゴム。ゴムのような、エイ(軟骨、)軟骨

池涸れる深夜音楽をどうぞ

コンパクト・ディスク(CD)乾いていた。看板と青とチョウザメ(ペンキで塗る鮒)

何をしていた蛇が卵を吞み込むとき





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