2023-12-31

週刊俳句2023年アンソロジー  18名18句

週刊俳句2023年アンソロジー 
1818


底冷や魚拓は目玉まで写し  山口遼也  第821号

猫の名を呼ぶ淡雪の扉かな  山岸由佳  第825号

うつしよのあかるさばかり紙雛  佐々木紺  第826号

青空のまだ小さくて畑を打つ  藤井万里   第827号

舞ふ羽根の描く螺旋や鳥の恋  髙木小都  第828号

逝く人を月のひかりのとどめたる  小田島渚  第834号

銀紙に包んで虹を捨てたのね  土井探花  第843号

曲屋に残る馬臭や乱れ萩  広渡敬雄  第847号

寝たふりのよく聴く耳よマスカット  野名紅里 第853号

鬼灯や妓の吐く唾が楼を焼く  竹岡一郎  第858号 
第870号にも作品掲載

空に鳶鉄条網に毛布乾る  中矢温  第859号

振りて根に重みの土や秋夕焼  内野義悠  第861号

半島に砂嘴のさゝくれ冬支度  古田秀  第862号

寒濤や骨締めつける腕時計  川田果樹  第868号

梟が螺旋の夜を連れてくる  村田篠  第870号

この空かこの青空のふゆのそら  上田信治  第870号

セーターで見分けてゐたり兄の友  岡田由季  第870号

生という枯れ野の空の果てとしか  福田若之  第870号

(福田若之・謹撰)

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