週刊俳句2023年アンソロジー
18名18句
底冷や魚拓は目玉まで写し 山口遼也 第821号
猫の名を呼ぶ淡雪の扉かな 山岸由佳 第825号
うつしよのあかるさばかり紙雛 佐々木紺 第826号
青空のまだ小さくて畑を打つ 藤井万里 第827号
舞ふ羽根の描く螺旋や鳥の恋 髙木小都 第828号
逝く人を月のひかりのとどめたる 小田島渚 第834号
銀紙に包んで虹を捨てたのね 土井探花 第843号
曲屋に残る馬臭や乱れ萩 広渡敬雄 第847号
寝たふりのよく聴く耳よマスカット 野名紅里 第853号
鬼灯や妓の吐く唾が楼を焼く 竹岡一郎 第858号
空に鳶鉄条網に毛布乾る 中矢温 第859号
振りて根に重みの土や秋夕焼 内野義悠 第861号
半島に砂嘴のさゝくれ冬支度 古田秀 第862号
寒濤や骨締めつける腕時計 川田果樹 第868号
梟が螺旋の夜を連れてくる 村田篠 第870号
この空かこの青空のふゆのそら 上田信治 第870号
セーターで見分けてゐたり兄の友 岡田由季 第870号
生という枯れ野の空の果てとしか 福田若之 第870号
(福田若之・謹撰)
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