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関灯之介 橋
春やうつりにけりな腕(かひな)の刺青(たとぅー)のlife
街はジャズ何処へ帰るも星が要る
木仏の手粗々と夜を束ねたる
夢に汝と我はらからに食(くら)ひあふ
飛花落花ばらばらの木乃伊を思へ
浜は伽藍のしづけさにして陽炎へる
波を打つ舳先どんどろどんどろろ
千の繭浮かぶ蔟(まぶし)の格子中
飛礫(つぶて)うちたる夏空をしばし見つ
丸むればほとぼる背(せな)や羽化はいま
われらの夢を集めし塔のうすけむり
虹の巨人は脛ばかり見せくるよ
玻璃窓に我その奥の窓にも我
停電の夜の鏡へ顔を寄す
うすばかげろふghostと言ふときの息
手は供花(くげ)のごと死にがほへ押し寄せぬ
鹿の皮被りて鹿の姿なす
鬼迫り来芒薙ぎ倒し薙ぎ倒し
酔(ゑ)うて拾ふ石を冷やさぬやう胸に
夢の塔より貝殻を盗みきし
夕は沖より訪ねくるもの鈴の音と
街灯のごとき体で生れけり
襖絵の鶴と歩めば眠くなる
ひらがなを含んで愛しあひませう
死のことを浴槽に湯をはりながら
冬薔薇鏡の中の遠き部屋
敏雄忌や帆柱がいま納屋の梁
連山を灰吹かれきし氷かな
河は母語わが後方へ流れけり
橋よわれはゆるされずして写真に笑む
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