2026-07-04

週刊俳句・当番5人への「10の質問」〔週刊俳句アフター1000号楽屋トーク〕

〔週刊俳句アフター1000号楽屋トーク〕
週刊俳句・当番5人への「10の質問」


Q1 週刊俳句』を運営していくうえで、苦労すること/困ることを教えてください。

天気 ブログサービス「blogger」のたびたびの挙動不審。

信治 やりたいことが、たくさんあるのに、とてもやりきれないことです。

 私は当番としての役割を遂行しているだけなので、ありがたいことに、苦労を感じたことはほとんどないです。ただ、年齢を重ねてきて、夜更かしがどんどんできなくなってきたので、午前0時まで頭がちゃんと回る状態を保持することに苦労します。

若之 後記に書きたいことがなかなか思いつかないことです。暮らしていて、これは後記に書こう、なんて思ったりすることもなくはないのですが、いざ書く段になるとすっかり忘れていて。

由季 更新作業のとき、まず個々の記事がアップされてそれからリンクをつなぐので、一時的におかしな順番で表示されます。落ち着いてゆっくり作業すればいいのですが、なぜかそのバラバラの状態に耐えられず、早くちゃんとした表示にしなければ、と精神的に焦ります。

Q2 『週刊俳句』で印象的な記事/企画はなんですか?


いま見ると、エネルギーがほとばしっています。週刊俳句にも高揚感があったように思います。

私にとって「俳句をやってる若い人たち体験 」の始まりという意味でも大きい。生駒大祐さんの素敵な記事を発見したこともあって、これを選びました。


 旅行記や街歩きエッセイが好きなので、印象に残ります。
いますぐに思い出せるのは、『週刊俳句』の初期に連載されていた小池康生さんの「商店街放浪記」、数年前に連載された柴田千晶さんの「歩けば異界」です。それぞれ別の味わいの文章なのですが、それぞれの「俳味」を感じるところが好きでした。柴田さんの企画は『俳壇』からの転載でしたが、転載も『週刊俳句』のカジュアルさの表れですね。(村田篠)


若之
ひとつは、もうずいぶん前のものですが、2008年11月2日付の第80号に掲載された石原ユキオさんの「お姉さんの妄想」。僕の作品に対するまとまった評としては、これが、少なくとも僕の記憶しているなかでは最初のものです。自分の書いたものが、自分のまったく知らないひとの想像力をこんなふうに触発できたことが、端的にうれしかった。もうひとつは、2014年12月21日付の第400号に掲載された小津夜景さんと柳本々々さんの「祝「週刊俳句」第400号記念レコード《Moanin' by Jacques Derrida》」です。ジャック・デリダ『火ここになき灰』の同じ一節をたどりながら、《あけがたを死せり白炉をとほくして》(鴇田智哉)と《お別れに光の缶詰を開ける》(松岡瑞枝)をそれぞれが評するという仕立て。僕は、これを読んで、ガストン・バシュラールの『蠟燭の焔』と出会いました。バシュラールの本を僕がはじめて読んだのは2014年の末から翌年の初めにかけてだったということを、僕自身はもう忘れてしまっていたのですが、どうやら『週刊俳句』が覚えてくれていたようです。

全句集というと、私はいつも量に圧倒され無力感を感じるのですが、少しずつ読むというアプローチの強さを感じました。

Q3 『週刊俳句』を食べものに譬えると? できれば理由も。

天気 B定食。A定食より200円ほど安い。

信治 闇鍋屋さん。来てみないと、何が出てくるかわからない。

 カレーかな。手軽で、数多くの人に届く感じの食べ物で、食べ方のアレンジも比較的自由。でも、料理する人によってそれぞれの味や好みのスパイスがあるように、書き手や題材によっていろんな味付け、スパイスがある。究極的には「俳句」についての記事なんだけど、いろいろな方向から近づいてゆける。書き手の人間味を感じられるところも好きです。

若之
ナポリタン(大盛り)。理由を挙げると、まずはそのB級感。それから、ひとつにまとまっているけれど、具材がいろいろ入っていて、無数の線が絡まりあっているところ。コーヒーのお供に良いところ。深夜に急に欲しくなることがあるところ。毎日欲しいとは決して思わないけれど、ときどきあるとうれしいところ。

由季 おにぎりかな。よく味わって食べることもできるけれど、ただ腹を満たすのにも手軽。

Q4 あなたの住んでいる町はどんなところですか?

天気 歩いてすぐの、ふだん使う街は文教地区で緑が多く、散歩して気持ちのいいところです。

信治 土日は急行が停まりません。

篠 水辺で、高層ビルが何棟も建っていて、コンクリートの街なので真夏は酷暑になります。近くに映画館がたくさんある部分は(私にとって)最大の長所です。

若之
ずっと前に《昨年夏に越してきた街梅がない》と書いた、その町です。路地裏にそろばん教室の看板が出ていたりして、そういうものを見たとき、ふいに《猫ですしじゃあなんでちまき食ってんのって話だわな》みたいな句を思いついたりする、そんな町です。

由季 海の近くで、特急が停まる駅があって、沖に空港があります。
俳句人口がびっくりするぐらい少ないです(たぶん)。

Q5 いま手の届くところにあるもので一番のお気に入りを教えてください。

天気 ロール型付箋

信治 ワコムのペンタブレット。商売道具ですね。

 一番、というのはむずかしすぎます。あえて言うなら、母からもらってずっと愛用しているジャケットかな。

若之 本当は、万年筆とか、そうでなければギターとかを挙げたいんですが、それだと一本に絞れなくなってしまうので、LaneyのLIONHEART L5T-112というギター用の真空管アンプにしておきます。手元にあるのは仕様変更前のイギリス製のやつ。良い音がします。

由季 ガラスの爪やすり。どこかの俳句のパーティーでどなたかにいただいて以来、愛用しています。

Q6 好きな音は?

天気 無数にあります。音好きといっていいと思います。ひとつ挙げるのは不可能ですが、例えば、きのう便座で聞いた雨の滴る音。小窓の外が建築中で、おそらくブルーシートに雨が滴る音。

信治 PCや携帯のアプリの、さまざまに工夫された効果音。

 猫がゴロゴロ喉を鳴らす音。眠るとき、愛猫が枕のそばに寝そべって鳴らすその音を聞くと、安眠できます。

若之 これも、いろいろありますが、ぱっと浮かぶのは、八月の夕暮れに聞くかなかなの鳴き声とか。

由季 三光鳥のさえずりは「月日星ホイホイホイ(と聞こえなくもない)」ですが、地鳴きは「グィグィッ」というような声で、これが聞こえると近くにいるので、ワクワクします。

Q7 いま何読んでる?

天気 京極夏彦『了巷説百物語』。大好きシリーズがついに終わる。

信治 「たあいのないのうりょく」(高野雀)2巻。

 『急に具合が悪くなる』(宮野真生子、磯野真穂:共著)を読み終えたところです。

若之 いまは、仕事のために読むいろいろのほかには、ほとんど何も読めていません。じつは仕事のために読むものさえも、あんまり。

由季 『三鬼』小林恭二。映像化希望。

Q8 今後10年で実現したいことって、ありますか?

天気 10年後に生きていると思えないので、「ない」のですが、そうでなくても、半年か一年くらい先までしか予定・プランがありません。

信治 俳句と、短文を、10年分積み重ねたいです。

 ひとり旅ができる体力を維持したいです。

若之 10年は、かえって思いつかないですね。もうちょっと早いうちに、やりたいことが山積み。

由季 わりといきあたりばったりに生きているので、10年後の計画があったことがないです。あ、でも種から育てて現在6年目のサボテンが、枯れていないといいなと思います。

Q9 座右の銘は?

天気 棚からぼた餅

信治 臨機応変。

 「なるようになる」
考えてみたのですが、座右の銘を持って暮らしてきた記憶がなく、これは、これまで生きてきた途上で、しだいにそう考えるようになった、という結果のようなものです。くよくよする性格を、ずいぶん助けてもらいました。

若之 「一句を書くことは 一片の鱗の剝脱である」(三橋鷹女『羊歯地獄』)。それから、べったべたのべたですが「新ミハ俳諧の花也」(服部土芳『三冊子』)。こういうことを訊かれたとき、とっさに、もっと洒落た、気の利いた噓をつけるひとになりたいものです。「都市の中の不思議な旅があるだけではなく、その場でできる数々の旅がある」(ジル・ドゥルーズ、フェリックス・ガタリ『千のプラトー』)とか、「人は新しく生きるために、絶えず告別せねばならない」(萩原朔太郎『宿命』)とか、なんとか……。と、ここまで書いて、いっそ、あれでもよかったかもな、と思い出したのが、「けつ喰らえ!」(レーモン・クノー『地下鉄のザジ』)。

由季 急がず騒がず

Q10 最後に、最も直近に作った一句を正直に教えてください。

天気 夏雲よあれが亜細亜だ大学だ
土曜日の句会に持っていくのに作りました。

信治 「青梅雨や和菓子を買うて橋の上」柳俳句会で。

 水泳の幼子腹を支へられ 

若之 ひまわりが並んでいるとみんな来る

由季 トゥクトゥクの扉は鎖揚羽蝶
先週の堅田吟行で作りました。


以上

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