2026-07-12

【中嶋憲武×西原天気の音楽千夜一夜】加山雄三「白い砂の少女」

【中嶋憲武×西原天気の音楽千夜一夜】
加山雄三「白い砂の少女」


憲武●夏のイメージの人って、結構いると思いますが、この人もその一人ではないでしょうか。加山雄三「白い砂の少女」。


憲武●作詞は岩谷時子、作曲が弾厚作です。弾厚作は加山雄三のペンネームですね。4曲入りのシングルだったかと思います。バックの演奏はランチャーズでしょう。

天気●独特ですよねえ。好きでもないし、興味もないけど。歌謡曲とも言い切れない。バタ臭いとも言い切れない。アレンジ的には、裏メロのエレキギターがただただひつこくて(弾かないところをつくるという発想がないのか?)、音やフレーズがちゃっちい。

憲武●ランチャーズって、本業は東宝の俳優の人たちですからね。そのひつこいところ、今ふと思ったんですが、ウエスタン風味にしてるのではないかと。加山雄三って、小さい頃から「君といつまでも」と「お嫁においで」くらいしか聞いたことなかったんですが、高校1年のバレー部の夏合宿にOBの先輩が一人来てて、朝も夜もずっと加山雄三をラジカセで聴いてたんです。昼は練習でヘトヘトで、短い休み時間も加山雄三。

天気●地獄じゃないですか。ふつうはトラウマ的に嫌悪するのでは?

憲武●そのOBって、元部長でわりとみんなから親しまれてる人だったんです。だからみんな仕方ないかな、みたいな感じでした。最後の夜の余興では、みんなで「蒼い星くず」を歌ったくらいで。その頃って加山雄三がドラマの主題歌だったか「僕の妹に」って曲で再ブレイクしてたんです。だからだったんでしょうか、そのOBの先輩は6月の県大会予選で負けて、バレー部引退したあと応援団作っちゃうくらい男気のある人でしたので、まあファンだったんでしょうね。

天気●悪気はなかったのですね?

憲武●そうですね。単に加山雄三が良いから聴いてるっていうのは、わかりましたから。ずっと聴いてたので自然に覚えちゃって、わりと気に入って、エアチェックも随分してランチャーズの頃のインストなども聴きまくりました。でも不思議とアルバムなどには手を出さなかったんですね。カセットテープで済ますという。

天気●カセットテープは流行が再燃らしいですよ。映画『PERFECT DAYS』や『カセットテープ・ダイアリーズ』を観ると、カセットデッキが欲しくなります。

憲武●それ、今考えてるんです。大学入ってから黒澤明とか若大将シリーズのオールナイト上映観て、俳優としての加山雄三も好きでしたね。加山雄三の歌はなんか飽きないんです。

天気●相性がいいんでしょうね。

憲武●アルバムを買おうと思ってます。ランチャーズの頃の「恋は紅いバラ」っていうアルバム。最近よりもやはり若い頃の加山雄三に惹かれます。

(最終回まで、あと557夜)

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