【中嶋憲武×西原天気の音楽千夜一夜】
バナナラマ「I Heard A Rumour」
憲武●女性三人のグループは、今まで数多くありました。スプリームス、スリー・ディグリーズ、ロネッツ、アンドリューズ・シスターズ、スリー・グレイセス、シンガーズ・スリー、オナッターズ、Perfume、BabyMetalと色々あるわけですが、今回はこちら。バナナラマで「I Heard A Rumour」。
憲武●この曲はアルバム『WOW!』(1987)に収録されています。
天気●打ち込み、シンセサイザー音のドラムやベース、それになにより、化粧の具合が、まさに80年代! という感じですね。
憲武●ええ、ちょうどわが邦ではバブルの頃ですね。バナナラマといえば、ショッキング・ブルーのカヴァー「ヴィーナス」(1986)を思い起こされる方も多いかと思います。「ヴィーナス」の大ヒットで、バナナラマを初めて知った訳ですが、失礼ですが「一発屋」だと思ってました。ところが次々と発表する楽曲が、極めていい。この「I Heard A Rumour」は、やはり大ヒットしていたマイケル・フォーチュナティの「Give Me Up」(1986)を想起させます。
天気●日本のこの頃のポップにも似たようなイントロとメロディがいっぱいあるような感じです。こういうのは具体的にどこが似ているというより、全体的な既知感。
憲武●今ではユーロビートといえばこの曲みたいな感じです。似てるなとずっと思ってたんですが、特に盗作とかパクリとか言われてなかったような気がします。曖昧な記憶なのでわかりませんが。最近になってググってみると、バナナラマの楽曲が、マイケル・フォーチュナティの楽曲に対する「アンサーソング」であるとか、触発されて作られた等、記してありました。アンサーソングと言われれば、不得要領ながら頷けるものもあるような。そういった感じです。
天気●まあ、何度も言うように、音楽は引用、ですから。言い換えれば、どの枠組みに何を入れるかですから。露骨かそうでないかの程度の違いはあっても。
憲武●それはありますね。80年代半ばに六本木のディスコ「エリア」「マハラジャ」などで、ガンガンかかってた記憶あります。「Venus」「Give Me Up」といったところですね。
天気●そうなんですね。そういうとこで遊んでたというのは、ちょっと意外です。私は行ったことがない。
憲武●学生の気分のまま社会人になってしまったような、そんな時期でしたからね。こうした一連の楽曲は、現場性と共に思い出されたりしますね。照明の感じとか、喋ってた内容とかと一緒に。六本木の「マハラジャ」を覗いてみたくなりました。
(最終回まで、あと553夜)
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