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2018-04-15

10句作品 空 吉川創揮

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空   吉川創揮
            
うたごゑの天の高きを組み上ぐる

冬晴に靴音届く自転かな

牡蠣啜る太陽吊りて薄き街

闇つうと蛇の鼻腔を抜けて春

蝶の脚たんぽぽの絮乱さずに

かなしみの耳の熱しよ紫木蓮

春眠やあこがれて鳥降りてくる

水菜食む遣唐使船すずしく朱

牛りんと匂ひ立ちたる桜かな

割れて窓光なりけり燕

2016-12-04

2016「石田波郷新人賞」落選展 8. 背に 吉川創揮

2016「石田波郷新人賞」落選展





8. 背に 吉川創揮

沈丁や夜雨の耳に籠りたる
三階の窓より落つるしゃぼん玉
立てば海見ゆる教室ヒヤシンス
囀りの方に湖ありぬべし
明るみに靴脱がれある草苺
ホースより出る水熱し麦の秋
雲を背に雲の流るる夏野かな
網戸洗ふ目のすみずみに水を張り
蝉穴の呼吸に濡れておりにけり
蛍火や空より山の夜深し
舌先の力に桃のほどけけり
マンホールを水の流れや夜半の秋
眼奥に冷えを結びて黙祷す
雨垂れの音の尖りや秋時雨
朝寒や水拭きの跡しるき窓
だらしなき布団の干し方でありぬ
ビラ配るサンタの銀の指輪かな
冬蠅の鏡に縋りゐたるなり
時計なき部屋の昼間や毛糸編む
口元のにきび痛めり初笑ひ