2008-02-03

【週俳1月の俳句を読む】石原ユキオ

週俳1月の俳句を読む】
はっとするような明るさに似ている
石原ユキオ



雪倒れごっこは幼少期の私のお気に入りの遊びだった。布団を雪原に見立て、その上をふらふらと歩き回り、どさっ! と倒れ込む。そのまましばらく倒れている。王子様や魔法使いが助けてくれたことにしてもいいし、一度死んで生まれ変わったことにしてもいい。適当なところで立ち上がってまたふらふら歩き回り、どさっ! と倒れ込む。飽きるまで何度か繰り返す。

大きくなって「ゆきだおれ」が「雪倒れ」ではなく「行き倒れ」だと知ったときには結構なショックだった。アニメでもなんでも、行き倒れるシーンって大抵雪のあるところで行き倒れている。それならいっそ「雪倒れ」でいいじゃないか。

押入を開けて布団の明るしよ   上田信治

押入を開けた。白い布団が蛍光灯の光を反射して明るい。カーテンを開いた瞬間に目に飛び込んでくる、雪の朝のはっとするような明るさに似ていると思う。

私はいま、上田家の布団に倒れ込みたい。




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