2009-08-30

主宰代表近詠集 2009.8

主宰代表近詠集(2009.8)


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栗田やすし「伊吹嶺」

三村純也「山茶花」

小川軽舟「鷹」

神蔵器「風土」

山尾玉藻「火星」





海流はゼロ初夏の壇の浦 栗田やすし(「伊吹嶺」2009.8)

「ゼロ」という外来語が一見ミスマッチだが、現代の視点から壇の浦の戦いに思いを馳せている感じもして、面白い。


地蔵盆この子どこの子髪赤く 三村純也(「山茶花」2009.8)

どこの子とも知れない赤髪の子がまぎれこんでいる。なんでもない景色のように装っているから、読み手としてはこの景色があの世につながっているのではないか、などとかんぐってしまいたくなる。


列のまま遠泳潮に流さるる 小川軽舟(「鷹」2009.8)

困った事態になっているはずなのに、それを岸から淡々と見つめて客観的に描写してみせている。むしろそこに、彼の海に対する畏れのようなものが伝わってくる。


雲の峰ラーメン屋より僧出で来 山尾玉藻(「火星」2009.8)

「雲の峰」も「ラーメン屋」も「僧」もてんでつながらないモノ同士。これらが一同に会すると、なんだかとても暑そうな句になった。

(山口優夢)

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