2010-08-01

後記+プロフィール171

後記 ● 山口優夢


先日、角川学芸出版から『別冊俳句 俳句生活 一冊まるごと俳句甲子園』が出版されました。その名の通り、一冊まるまる使って俳句甲子園の紹介を行なうといった体のもので、去年審査委員長として参加した金子兜太のインタビューに始まり、俳句甲子園OBOG21人の新作俳句が並び、審査員として参加した俳人たちが俳句甲子園に一筆寄せて、俳人を中心とした様々な人が俳句甲子園で過去に出てきた句を鑑賞している、といった多彩なメニューとなっています。

多彩なメニューだとは思う、しかし、ざっと目を通してみた感じでは、ちょっと不満を感じています。市長のインタビュー?名物先生の紹介?協賛企業のエッセイ?なんだか、「大人」が顔を出し過ぎじゃないですか、この本。

高校生の生の声が聞こえない、したがって、俳句甲子園がどう面白いのか、その熱気が伝わるのかどうか心もとない気がします。

かと言って、俳句甲子園を俳句史の中に位置づけて議論しようという気概も乏しい、したがって、俳句甲子園に一冊まるごと使う意味がどのくらいあるのか、それを思うと少し心細いようにも思えます。

もちろん、「我々の「俳句甲子園」はこうして誕生した」(新矢一)に書かれた俳句甲子園誕生秘話は資料として価値があるだろうと思います。また、俳句甲子園に出された句の一句鑑賞は当時の高校生としては嬉しいだろうし、それ以上に俳句甲子園の俳句が外の俳人にどう受け止められているかが知れて興味深いと思いました。

みなさんはどう思われるでしょう?俳句甲子園出身者の一人としては、ぜひみなさんに一冊買っていただき、読んでいただいて、感想をお聞きしたいと思いました。

なんにしても、来週末はその俳句甲子園。私も松山に観戦に行きます。高校生のみなさんの元気な戦いぶりを期待しています。



それから、今日は現代俳句協会青年部のシンポジウムですね。第3回芝不器男賞に応募しているのでは、と噂になるなど話題を振りまきつつもこの前閉鎖してしまった裏悪水など、俳句の自動機械は、最近注目を集めていますね。こちらも一見の価値あり、かと。

気になる方は以下のリンクからシンポジウムの場所と時間をチェックしてください。

■第118回現代俳句協会青年部勉強会[自動機械]のお知らせ≫見る



ではまた、次の日曜日にお会いしましょう。


no.171/2010-8-1  profile

■岡田一実 おかだ・かずみ
1976年富山市生まれ、松山市在住。2006年より作句。第3回芝不器男俳句新人賞城戸朱理奨励賞受賞。「いつき組」にて俳句活動。

■ 野口 裕  のぐち・ゆたか
1952 年兵庫県尼崎市生まれ。二人誌「五七五定型」(小池正博・野口裕)は4月10日に第四号を発行。入手希望の方は、yutakanoguti@mail.goo.ne.jp  まで。進呈します。 サイト「野 口家のホームページ」

■中嶋憲武 なかじま・のりたけ
1994年、「炎環」入会とほぼ同時期に「豆の木」参加。2000年「炎環」同人。03年「炎環」退会。04年「炎環」入会。08年「炎環」同人。

さいばら天気 さいばら・てんき
1955年兵庫県生まれ。1997年「月天」句会で俳句を始める。1998~2007年「麦」在籍。現在「豆の木」会員。現代俳句協会会員。2003年「麦」新人賞、05年、06年「豆の木賞」受賞。ブログ「俳句的日常」「七曜堂」 twitter

■山口優夢 やまぐち・ゆうむ
1985 年、東京生まれ。東京大学大学院博士課程1年。東大・早稲田など東京の学生俳句サークルやTHCなどの超結社句会に参加。第六回俳句甲子園団体優勝・個人 最優秀賞。第二回龍谷大学青春俳句大賞大学生部門最優秀賞。第四回鬼貫青春俳句大賞優秀賞。好きな惑星は火星。2008年12月より銀化所属。アンソロ ジー『新撰21』(2009)に参加。ブログ「そらはなないろ」

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