2010-09-05

席題出句

席題出句

兼題およびその出題者
「傘」 (る理)
「椅子」 (敦)
「酒」 (麒麟)
「言葉」 (友亮)
「的」 (若之)
「鬼」 (優夢)
「パンダ」 (楓子)
「ビートルズ」 (哲史)


「傘」
傘に水滴そのとき鵙の撃たれけり
それぞれが傘さしてゆく真葛原
落書きの大きな傘よ文化の日
傘差してくれよコスモス手折るとき
ビニル傘雨滴の光【こう】を秋夜に振る
この傘をやりたきほどの案山子かな
かなかなや座れば傘を股間に置く
秋空を毀しつつゆく傘の骨

「椅子」
椅子の脚空に向けたり草雲雀
子規庵に鶏頭無数椅子がない
白き部屋に白き椅子ある雨月かな
揺り椅子を壊して落花生と捨つ
知恵熱と言えず、頭痛で秋の椅子
あなたが言つたんじやないのと夜長の椅子を叱る
この椅子に敢へての忘れ扇かな
秋入梅ひねもす椅子の裏見れば
一刻は椅子に■■(ばった)をとりつけし

「酒」
猿酒の弱く震へる眠りかな
麦酒の泡が集まって白考える
マッコリは夜長の酒や大事に酔ふ
橋姫の長き夜終はる酒匂川
十余の言葉が乱れ酒場の夜は長い
濁り酒にハングル爽やか読めずとも
昼酒も辞さず我らの秋遍路
葛の葉としたしく酒呑童子かな

「言葉」
やすやすと言葉売らるる熱帯夜
伝へたき言葉を抱へ穴まどひ
再訪の言葉を鬼灯色と定め
鵙猛る言葉が弱く見える日に
ありつたけ言葉集へどまだ花野
ことのはを茂らせてゆく天の川
ブーケ抱いて言葉はやすらかに終はる
文字にして言葉恥ずかし水中花

「的」
パセリ的に生きてるわたし昼の雨
野菊的に昼のひかりは仏かな
ニーチェ的な人に新酒を注がれても
射的の銃は煙を出さず秋の虹
白帝死す的から的へ放たれて
秋澄むというウーロン茶的感覚
秋晴や欲しきものなき射的小屋
戦へる相撲を貴族的に見つ

「鬼」
山深く鬼のかなしみ風の盆
この電柱登れず鬼になれず芋
鬼灯を回して増える予感かな
忘却や鬼灯の実の枯れて網
鬼ごっこのきみを見つける鬼となる
ほほえみて真白き鬼の秋袷
異国語のせめぎ合ひたる三鬼の忌
虫の宿心の鬼を冷ましつつ
愛のなき鬼のあはれや曼珠沙華
鬼灯がひとみの中に殖えゆけり

「パンダ」
ブーケいただきパンダのやうにうれしくなる
パンダより縞馬硬き夜長かな
愛されてパンダの心地秋の夕
こつち見てパンダ初秋の目つきして
ばつたきらきらパンダとは仲良しで
笹の露こぼせりパンダ眠るほど
梨に雫ピーターパンダッタラ死ナナイ
思春期のパンダ銀杏がぐちゃぐちゃ

「ビートルズ」
モノクロのカンナのようにビートルズ
花野風気高い嘘をビートルズ
新涼の指なめらかにビートルズ
ビートルズ我より若し曼珠沙華
冷麦は夏ひとりの夜のビートルズ
林檎を齧る俺達にビートルズ
どぶろくやビートルズめく父の唄
ビートルズ無花果詰めてタルトなる

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