週刊俳句2010年アンソロジー 84人84句
〔2/3〕
※新年詠、落選展出品作は割愛させていただきました
救急車のサイレン雛の流れゆく 小久保佳世子 第153号
このレヂと決め長ネギを立てなほす 山田耕司 第153号
春の昼埴輪の犬に舌のある 松尾清隆 第154号
金箔がケーキに少し鳥の恋 蜂谷一人 第154号
陽炎の野を抜けし身の細りけり 藤田直子 第155号
天上のふるへつたはる糸桜 満田春日 第155号
雉抱いてまだ残酷は来ていない 田島健一 第157号
ダブルベッドてふアメリカや昭和の日 柴田千晶 第158 号
平坦な画面新芽が男体へ 井口吾郎 ウラハイ5月3日
母と行き父と戻りし遠花火 西澤みず季 第159号
先生を泣かせてしまひ牛蛙 榎本 享 第161号
春山の姉は小さな光食べ 渡辺誠一郎 第161号
雉笛吹いて木目あざやかなる男 渋川京子 第162号
御灯しの炎がなびく栗の花 鈴木不意 第163号
はつなつのうみにひかりのながかりし 五十嵐義知 第163号
夕立のあたりより来る電話かな 茅根知子 第164号
息深く吸ふ炎天に橋光り 松野苑子 第165号
掌中に白蝶捕らえたるも憂き 四ッ谷龍 第165号
遠泳の過ぎたるブイを引き揚ぐる 中本真人 第166号
恋語るバナナに殖える黒子(ほくろ)かな 後藤貴子 第167号
火柱もくづをれやすし一夜酒 秦夕美 第167号
剽軽な蛇するすると去りゆけり 小林苑を 第168号
ブレーキ音二度鳴る夜の金魚玉 岡田一実 第171号
その窓に揚羽ばかりが来て困る 小川楓子 第173号
折悪しく留守にしてゐて法師蝉 小豆澤裕子 第173号
八月十五日正午やトイレ待ち 松本てふこ ウラハイ8月17日
長き夜の輪転機みな肌色に 藤幹子 ウラハイ8月18日
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