「SSTを蠟人形にしてやろうか吟行」レポート
田中 槐 写真:関悦史ほか
去る8月27日(火)、9月1日に閉館になる東京タワーの「蠟人形館」で、SST(関悦史さん、榮猿丸さん、鴇田智哉さん)が吟行句会をするというので便乗して行ってまいりました。
考えてみたら、東京タワーなんて20年ぶり。それより何より人生初の吟行(俳句では)だということに気づいて、初吟行がこんなレアなもので……と、関さんから気の毒がられたり(笑)。
集合は東京駅だったのですが、東京タワーなら直接行ったほうが楽なのでと、ひとりわがままを言って現地直行にしてしまったわたし。その考えがアサハカだったことに、あとあと気づくわけです。集合時間までにはひとりしか来ていなかったとか、誰がいちばん遅かったとか、急遽参加者が増えたりとか早速のハプニング。そしてホトトギス社への訪問や東京タワーへの移動のバスなど、とにかくネタ満載。すでに吟行は始まっていたのでした。
▲SST:向かって左から関悦史さん、榮猿丸さん、鴇田智哉さん
▲東京駅丸の内口
▲稲畑廣太郎さんとの記念撮影
そんなわけで、参加者はSSTと野口る理さん、内田董一さん、トオイダイスケさん、田中槐の7名(句会の後半から宮本佳世乃さんが参加)。
東京タワーではまず展望台。あっという間に全員がばらばらになり、集合時間も集合場所も決めないユルユルな俳人たち。関さんがおろおろしながら全員を回収してなんとかお目当ての蠟人形館へ。
昼食後、増上寺を散策したりしながら、句会場(「ホトトギス」の花鳥風詠塾という句会場をお借りしました。立派な会場でした)に辿り着いたのは4時近かったでしょうか。
そこから吟行句5句での句会、終了後トオイさんが帰られ、到着した宮本さんと入れ替わって、第2ラウンドは席題を含む5句の句会。一日に10句なんてつくったのも初めてだったかもしれません。脳みそが空っぽになりました。
吟行は、自分も見ていたはずのものを巧く詠まれていたりすると何よりも悔しいですね。あと、みんなとにかく細かいところを見ていますね。蠟人形が履いていたコンバースとか、増上寺のお堂にあった扇風機の色とか。
終わったあとの飲み会での、雑談という名の俳句談義(逆かな?)も大変ためになったことでした。いつも句会は楽しいけれど、それ以上に吟行は楽しいかもしれません。そして相変わらず個性みなぎるSSTの三人とご一緒できて光栄でした。
兄(あに)弟(おとと)ゐるノッポンや休暇果つ 槐
わたしがこの日発見したのは、東京タワーのキャラクターであるノッポンに兄と弟がいるということだけだったかも……。精進します。
▲ノッポン兄弟
0 comments:
コメントを投稿