【八田木枯の一句】
蟷螂のいま死にて死へまつしぐら
西村麒麟
蟷螂のいま死にて死へまつしぐら 八田木枯『汗馬楽鈔』
死後の世界やそこにたどり着くまでの道のりを想像するのは生きている者の特権だろう。人は昔から死後のことを考えるのが大好きだ。
死後の世界へ続く暗く静かな坂道を蟷螂が歩く様子を想像すると、思ったより悪くない。時々退屈で鎌を振ったりもするのだろうか。
死はどんなかと蟷螂を見ながら考える人の姿はどこか哀しくもある。
白桃や死よりも死後がおそろしき『夜さり』
木枯さんは死後の世界があるのかどうか、もうご存知だけれど、きっと教えてはくれない。人の楽しみを奪うような野暮をする人ではないのだ。
わからないことは面白く、おそろしい。
2015-09-13
【八田木枯の一句】蟷螂のいま死にて死へまつしぐら 西村麒麟
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