中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜
第47回 キッド・クレオール&ザ・ココナッツ「Yolanda」
天気●3月から4月にかけて、物置きを片付けたんですね。新年度ってことで、そういう気分になるんですよね。
憲武●片付けたい季節ですね。気分一新と言いますか。
天気●すると、奥のほうで眠っていたダンボールから大昔のブツがたくさん出てきましてね。なかには手紙もあって、これ。
天気●友だちがお薦めレコードを絵入りで伝えてくれた。当時は、ジャケットを目で探すのが基本だから、絵入り。
憲武●ビジュアルの伝達は大切です。この絵はツボを押さえてますね。
天気●キッド・クレオール&ザ・ココナッツのこのレコード(1枚目)は1980年発売。20代の半ばですね。というわけで、このアルバムから1曲。
天気●ジャケットの雰囲気そのままにトロピカルでハッピーなラテンです。当時、ざっくり10年か十数年か数十年か、南方のかんじが流行・潮流としてあった。なかでもダンサブルでスタイリッシュなのが、このバンドだったように思います。
憲武●この手のバンド、ファンカラティーナと呼ばれてましたよね。ファンクとラテンを融合しているという意味で。モダン・ロマンスというバンドもありました。キッド・クレオールのバンドの形態の影響をモロに受けているのが米米クラブですね。
天気●リーダーのキッド・クレオール(オーガスト・ダーネル)は、このバンドの前に
Dr. Buzzard's Original Savannah Band というバンドをつくって、ラテンとディスコを合体させたような極楽的なことをやってました。キッド・クレオール&ザ・ココナッツはもうすこし洗練味を出したような音。
憲武●このバンド、好きなんですよね。当時、ヘビロテで聴いてました。ぼくは Stool Pigeon が好きです。
天気●3枚目「Tropical Gangsters」 (1982)に入ってる曲ですね。
憲武●ココナッツ単独のアルバムも持ってました。
天気●へぇ、そんなの、あるんだ!
憲武●1983年の夏にEMI Americaから発売されたザ・ココナッツのソロアルバム「Don't Take My Coconuts(ココナッツにご用心)」です。これはあまり売れず、話題にもなりませんでしたが、よいアルバムです。
天気●夏には少し早いのですが、この線の曲で踊るのもいいですね。句会の後に。
(最終回まで、あと954夜)
(次回は西原天気の推薦曲)
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