〔今週号の表紙〕
第574号 卵
大江 進
山椒魚は夏の季語。ただしそれは一般的にはオオサンショウウオを指しており、もっと小型の種類が多数いる。写真のトウホクサンショウウオの卵嚢(らんのう)は早春に、湧水が流れ込む低山地のゆるい止水でみつけたもので、長さ10cm程度のとぐろを巻いたゼリー状の筒のなかに多数の卵が産みつけられている。
卵のなかの胚はすでに成体のサンショウウオの形に近づきつつあり、じっと観察しているとときおりぴくりと動くものがある。生まれたてはウーパールーパー(アホロートル)のように鰓が体の外に出ていて、奇妙かつかわいい。成体の大きさは10~14cmほど。日本固有種。
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