2018-08-12

中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜 第62回 フェリックス・チャポティーン「キンボンボ」

中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜
第62回 フェリックス・チャポティーン「キンボンボ」


憲武●日本って周期的にラテン音楽のブームが来てるようですけど、ラテン音楽って懐かしい感じがあります。

天気●なんでなんでしょうね。日本に入ってきた洋楽ポップスのなかでは最も古い部類のジャンルだからでしょうか。

憲武●親の代がマンボにハマったとかというご家庭が、日本国中にあるんじゃないでしょうか。こういうディープな楽曲には、その理由の一端を窺えますでしょうかね。チャポティーンの「キンボンボ」です。


憲武●元気が出ますよね。フェリックス・チャポティーンはキューバを代表するソン(キューバに元からあった音楽。サルサの原型とも)のミュージシャンです。

天気●いいかんじ。キューバといえば、映画「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス」の上映が始まっていますね。

憲武●そうですね。前作はヴェンダース監督で、一躍有名になったとても高齢のバンドです。この曲の入ってるアルバム「SABOR TROPICAL」、熱帯風味って意味らしいですけど、ジャケ買いでしたね。暖色系のバックに、単純な線で描かれたイラストの色合いがとても良くて。これは絶対いいに違いないと思ってしまって。

天気●はい。イラストの「20世紀中葉」感がたまりませんね。

憲武●キンボンボってオクラのことらしいです。歌詞は料理のことを歌ってるようですね。えーと、このアルバムの8曲めに入ってる「canallon」聴いてみましょうか。


憲武●いいですね。のっけからトランペット高音で。中盤でトランペットのソロを取るおじさんがチャポティーンです。

天気●ハイノート勝負なんですね。耳に痛いわ。

憲武●ヴォーカルは、チャポティーンの楽団専属といってもいいミゲリート・クニー。キッド・クレオールみたいですね。

天気●帽子が粋。

憲武●夏こそサルサです。

天気●暦の上ではもう秋ですけどね。


(最終回まで、あと939夜) 
(次回は西原天気の推薦曲)

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