第1回 週刊俳句賞(仮)
読者投票ボード (投票期間:7月15日~31日)
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2007-07-15
第1回 週刊俳句賞(仮)読者投票ボード
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17 comments:
07 着衣
ほんの少し心が揺れる程度の共感が却って詩情を得ることができたと思います。
対象を斜めから見ることによってイメージを交差させ本質に迫った存在の詩です。
「如雨露から捩れた水の出てきたり」
文語・口語混在はどうでしょうか
次点は06さびしいかたち、
「太陽はさびしいかたち」と詠む作者は
「晩夏光箸をただしく使いけり」
この健康的な作風に惹かれました。 とき
14 薄荷菓子
静かな音楽を聴いているように、ささくれ立った気持ちを穏やかに慰めてくれました。色調が統一されているためでしょうか。特に
「短夜や枕に沁みし波の音」
は、思わず額に手を当て、目を閉じ耳で音を探してしまいました。
達生
02 白紙の願書
素朴な詠み方で共感できる句が多かったです。
09 負け癖
いいですね。
なんといいますか、さりげなく程よい脱力感、全体を貫く俳味、そして、この僅か10句に作者の人生観までも垣間見ることができます。
10句とも全部気に入ってしまいましたが、
はつなつのキャッチャーフライ高すぎて
笑い方おかしい人のなすび漬け
負け癖や糸瓜やたらとよく育つ
夕立の手とか足とか持て余す
このあたり特に好きですね。
あとでサイン下さい。 素浪人
24焼け残る
鉱石の綿にくるまる涼しさよ
かはほりの音の中なるフィラメント
新しい視点、感性がある
18溺愛も良い。
油絵を深きに飾り夏館
40 ぶん投げて
全体に写生がきちんとしているのが好感がもてました。歌仙のようなつけかたの流れに、ひとつの世界があり、しかも少しノスタルジックなのが好きです。
「目と鼻の間に飼うてゐる蚊かな」もう全く同感です。日常からはじまって、最後の焼酎四lリットル瓶は、地震などの非常事態の象徴でしょう。
「腰扇ほどの赤子と泳ぎをり」子供のころの母に教わりながら泳ぎを覚えたときの記憶が蘇りました。
「靴箆に落ちてをります百合花粉」百合の花粉って、落ちないんですよね。玄関の花瓶からおちたのでしょうね。
「靴下を踏みつけてゐる裸足かな」そして部屋に上がればすぐ靴下を脱ぐ、すうっと、外での疲れを、踏みつける>が、いいですね。
「雷雲をたくしあげたるだけのこと」雷は社会の嫌なことも通り過ぎればなんとことはない、という達観でしょうか。
「ぶん投げて去りぬ夕立の神様は」これが、表題のテーマ、夕立という急にくる、雨でもあり、潤いでもあって、農業にはなくてはならない、水資源、それは「神様」のなせる業、こちらは過ぎ去るまで、待っていよう。。
「なめくじの恋のやうにも寝苦しき」蛞蝓だけは触りたくないです。そんな恋はなしかに息苦しいですね。うまく言いえて妙に納得。
「しばらくを焼酎四リットルの瓶」というわけで、自然体のなかで、生きるためには、四lリットルの大きい瓶もあっきらかんとして、いいですね。
「08 夏痩」を推します。
まず40作品を通して見て、個人的に魅力を感じる句を選んでみました。その中でいちばん良いと思った句が「08 夏痩」の、
「停留所まで豆腐屋の打水は」 です。
この句からは、停留所と店先との絶妙な距離を感じます。そのことは私に、この町の建物の密集具合や道幅などを想像させます。抽象的な表現になりますが、この町全体がもつ雰囲気(空気が、温かい湿り気を少し帯びているような)が伝わってきました。
そのほかには「19 いつのまにひとりふへてる水遊び」「26 虫干の虫の行き場を風渡る」「33 恋人とちょっとおしゃれな老眼鏡」などが面白いと思いましたが、言葉の選び方や文字列の見栄えなど総合的に考えて、「08 夏痩」を推したいと思いました。
32 ひるがお
「ローソンの青の青さよ夏の月」この初めの1句に惹かれました。
ローソンの増殖力(?)とあの青と夏の月、すんなりと入ってきます。
リゾート地でローソンが一気に増えてたのを目の当たりにしたばかりだったせいもあるのですが。(個人的すぎるだろうか)
次点は20 更衣室
「手花火の青き病ひを晒しけり」
「日本画にほたるぶくろの眠たさう」
「遠泳やあたまのなかで歌ふうた」
等、惹かれる句が多かったです。
3成層圏
に一票。
少し出来にばらつきがあると思うが、読み手の心に訴えてきて響く句が多かった。
たちあふひ成層圏を吹く風よ
未だ土の濡れてをるなり夏の鹿
裸身いま内より光出しさうな
ゆらゆらと祝女戻りくる日の盛り
などは、類想もなく、ストンと胸に落ちる。
頬杖や夕焼けの髪の乾くまで
金星のやうに梅酒の梅沈む
はどうかと思うけど…。
22碌々、26もろきう
が次点。面白い句があった。
17落し物に1票。
竜宮城の句が、その中でも、すごく気に入りました。
ある日突然、自分の部屋が、竜宮城になって、すみっこにだれが落とした夏みかんなんだけど、亀。。。
36 底の底から
一頭地を抜く作品かと思いました。
「葵咲く触れられぬほど熱さうに」
「しづかさや溶け果つるまで蛞蝓」
「しんしんと冷素麺の水平線」
特に、この三作品に惹かれました。
『07 着衣』に1点。
この作者の良いところは、平明に「旬感」を掴んでいるところで、「子燕」「緑さす」「新緑」「裸足」「夜濯ぎ」「半袖」「如雨露」「噴水」「海の家」と、十句中九句の季感が、天文といった抽象では無く具象を見据えているところだ。天文にしても「白南風」は「畜産科」という家畜の糞が匂うような景をぽんと最後に放り出している。だから、すべての句が誰にも見える句で、誰もがそれぞれの目で読める。
特に【見てをらぬときに噴水高くなり】は秀逸。背後の噴水の音が聞こえる。
粗い句もあるが、これだけ平明な句が詠めるというのは既に才能である。
次の風きて子燕のあたまかず
常設展順路たつぷり緑さす
新緑が着衣の端に染みてくる
主婦として裸足ですごす午前中
白南風の午後がはじまる畜産科
半身乗り出し夜濯ぎのもの干せり
裏路地に半袖のシェフあらはるる
如雨露から捩れた水の出てきたり
見てをらぬときに噴水高くなり
敷物のやうな犬ゐる海の家
次点、というか、別格は『14 薄荷菓子』。十句の総合力、一句の水準、タイトルの選び方、応募作品中頭抜けている。賞に応募するより、選ぶ側に回る力量の作者である。
17 落し物
最後の句「嫌ひな人におぶさってをり蛍」とても好きです。
他の句、「リア・ディゾン」や「ピカチュウ」という単語は気をてらっているようにも見え、とても面白いけれど、50年後、100年後に残る芸術作品としてふさわしいか?とも考えましたが、こういうポップな句で伝統的な俳句の世界観から一度逸脱したおかげで、上記の蛍の句はその美しさに凄みが増したように感じます。10句の総合評価というのは主旨に合っているか分かりませんが、各句を単独で見ても面白い作品だと思いました。
「07 着衣」
細かい描写から風景をイメージすることができます。また全体のトーンとして力強さを感じました。その一方、「39 素足」の素直な描写にも惹かれました。
03 「成層圏」
に1点。
勉強させていただきました。
01 歩き出す
韻律が素直。文法に無理がない。
詠んでいる内容も自然な感じを受けます。
メーデーの米屋は米を量りをり
ひるがほを引けばあらくさ倒れけり
客観的な視点で描くのは、当然と思える事柄。
そこにスポットを当てたことが新鮮でした。
言葉や事象に逆らわず向き合う誠実さを評価したいと思います。
プードルとパセリライスといもうとと
帰りには片蔭できてゐたりけり
うまく言えませんが、季語が他の言葉と対等に扱われている、その句の姿も好感が持てました。
季語という概念を知らなくても楽しめそうです。
投票してくださった皆様、ありがとうございました。
これにて締め切らせていただきます。
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