石田郷子 選と選評
※作者名は選評をいただいたのち編集部で付記いたしました(読者の便宜を考慮)。
01 歩き出す(久保山敦子) 1点
「メーデー」の句のような類想的な取り合わせの句を入れずに、「昼顔」や「目高」「蝉声」などの句のように嘱目で通せば、もっと面白い作品になっただろうと思う。最後の句はあまりに理屈なのではなかろうか。
03 成層圏(榊 倫代) 2点
三点にしようかどうしようかと迷ったが、「斎宮の」「裸身」「ゆらゆらと」の三句が作品の鮮度を落としていると思う。詩情のある作家で、表現も確かだと思った。
06 さびしいかたち(越智友亮) 2点
魅力があった。全体に瑞々しい。「修司忌」の句などは、覚悟を決めて韻文に徹してみてはどうかと思う。
34 日焼けのなすび(お気楽堂) 1点
「洗い髪」の句などは口語で成功している。サラダ記念日を思い出した。しかし、「虹」「夏痩せ」の句の口語や、最後の「お留守番」などのことばに非常には安易な印象を受けてしまった。
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