後記
俳句甲子園って、聞いたことはあったけど、こんなふうだったのか、と、佐藤文香さんのレポートを読んで思った人は多いのではないでしょうか? 私が、そうです。
特に前号の記事にあった大通りでの予選は、ちょっと新鮮でした。俳句はインドアな遊び(吟行とか、あるのに)というノリがあるのですが、もっとアウトドアなところをめざしていいんじゃないか、などと思いました。その意味では、本選(今号の記事)も、海岸かどこか、ひろびろとしたところでやってほしい!…などと考えてしまいました。
◆
月初め恒例の「週俳の俳句を読む」のコーナーは、おひとりおひとりの記事を別立てにしてみました。となると、タイトルが欲しくなり、私が勝手につけてしまいました(書き手の意に添わないものになっていることも多いと思います。ごめん!とあっさりあやまっておきます)。
「読む」ということについて、『週刊俳句』はいつも考えています。「読む」とは、どういうことなのか……。
「週俳の俳句を読む」という記事で展開されていることは、俳句世間で「鑑賞」「句評」などと呼ばれ、ごくごくふつうにおこなわれていることです。しばしばルーティンとして。句誌における格好の埋め草として。あるいは知人への贈答のように儀礼化して。
でも、ちょっと待てよ、と、あるとき思ってしまいました。「俳句を読む」ということは、評価することとはすこし違う(読み手は審査員でも結社の先生でもありません)、解釈というのとも違う、鑑賞という語もちょっと違和感がある。そんなことではなくて、もっと刺激的な行為のはずだ。
大袈裟にいえば、読むことの悦楽をとりもどす、ということを、すこしずつでもいいから、この『週刊俳句』でやれたらいいと考えています。
では、また、日曜日にお会いしましょう。
(さいばら天気 記)
no.019/2007-9-2 profile
■佐藤文香 さとう・あやか1985年生まれ。「ハイクマシーン」「里」所属。高校1、2年で俳句甲子園に出場。第四回団体優勝、第五回団体準優勝・個人最優秀賞を果たす。第二回芝不器男俳句新人賞対馬康子審査員奨励賞受賞。http://www.geocities.jp/aya6063/
■上田信治 うえだ・しんじ
「ハイクマシーン」「里」「豆の木」で俳句活動。ブログ「胃のかたち」 http://uedas.blog38.fc2.com/
■中嶋憲武 なかじま・のりたけ
1960年生まれ。「炎環」「豆の木」。1998年炎環新人賞。99年炎環同人。03年炎環退会。04年炎環入会。来年、二回目の同人。
■宇井十間 うい・とげん
1969年、青森県生まれ・東京都出身。アメリカ在住。医師、研究員。「吟遊」同人。第26回(2006年度)現代俳句評論賞受賞。
■樋口由紀子 ひぐち・ゆきこ
1953年大阪府生まれ。姫路市在住。「MANO」編集発行人。「バックストローク」「豈」同人。句集に『ゆうるりと』『容顔』。セレクション柳人『樋口由紀子集』。共著に『現代川柳の精鋭たち』。川柳Z賞受賞。川柳句集文学賞受賞。「川柳MANO」サイト http://ww3.tiki.ne.jp/%7Eakuru/
■大石雄鬼 おおいし・ゆうき
1958年生まれ、埼玉県育ち。現代俳句協会会員、「陸」同人、「豆の木」所属。1996年現代俳句協会新人賞。ブログ「ゆうきはいく」http://sky.ap.teacup.com/ukiuki575/
■浜いぶき はま・いぶき
1987年、東京生まれ。大学入学直後に俳句に出会う。慶大俳句会所属、現代表。東大俳句会、早大俳研などにも参加。
■野口 裕 のぐち・ゆたか
1952年兵庫県尼崎市生まれ。小池正博と二人誌「五七五定型」を発行。その他、肉声媒体「もとの会」、「北の句会」、「辻句会」、「樫句会」、活字媒体「逸」、「垂人」などに参加。サイト「野口家のホームページ」http://www.saturn.dti.ne.jp/~ngyutaka/
■鈴木茂雄 すずき・しげお
1950年大阪生まれ。1970年頃作句開始、現在インターネット句会「ハイヒール句会」所属。
HP「WEB 575 Internet Haiku Magazine」 http://homepage1.nifty.com/ssweb575/
■羽田野 令 はたの・れい
大分県生まれ。「吟遊」同人。山繭の会(短歌)会員。京都市在住。
メルマガ「ふわりと一句」 http://mini.mag2.com/pc/m/M0051420.html
■ひらの こぼ
1948年京都生まれ。「銀化」同人。著書(最新刊)『俳句がうまくなる100の発想法』(草思社)。
■石原ユキオ いしはら・ゆきお
1982 年岡山生まれ。2000年、第一回詩のボクシング岡山大会優勝、全国大会一回戦敗退。以後、Happy? Hippie! (現mimucus)、オカヤマポエトリーナイト、大朗読などの朗読会に参加。2005年より俳句を始める。三上史郎主宰の「らんまん句会」「あきさ句 会」に参加。文学系ギャルサークル「ブラック乙女部」部員。「黒鳥」同人。「海程」会員。サイト「石原ユキオ商店」http://www.d-mc.ne.jp/blog/575/
■中山宙虫 なかやま・そらん
1955年大分県生まれ。ずっと九州で生きている。俳句は1999年より。現代俳句協会会員。九州俳句作家協会会員。「麦」「霏霏」同人。サイト「俳句の虫」http://www.hpmix.com/home/musinannda/T1.htm
■猫髭 ねこひげ
「きっこのハイヒール」所属。
サイト「三畳の猫髭」 http://homepage1.nifty.com/ssweb575/page056.html
■五十嵐秀彦 いがらし・ひでひこ
昭和31年生れ。札幌市在住。現代俳句協会会員、「藍生」会員、「雪華」同人、迅雷句会世話人。第23回(平成15年度)現代俳句評論賞。
サイト「無門」 http://homepage2.nifty.com/jinrai/
■さいばら天気 さいばら・てんき
播磨国生まれ。1997年「月天」句会で俳句を始める。句集に人名句集『チャーリーさん』(私家版2005年)。ブログ「俳句的日常」 http://tenki00.exblog.jp/
■■■
2007-09-02
後記+プロフィール 019
登録:
コメントの投稿 (Atom)
1 comments:
誘ひ by民也
遠山も茜越えたり盆の月
盆の月不二の人々土手を行く
エスカレーター上りゆく盆の月
盆の月鉄橋の上佇みて
すれ違ふはずの列車か盆の月
盆の月食ひ入るものにメール打ち
黄信号左折自動車盆の月
盆の月乗り出すベランダの手摺
三階の辺り素通り盆の月
盆の月脇過ぐバンのドア開く
今し方人をりし道盆の月
コメントを投稿