2008-01-20

10句作品テキスト 対中いずみ 氷柱   

氷柱   対中いずみ


ことごとく蓮折れてゐる時雨かな

外套の内ポケットの波打ちぬ

煮凝に鮟鱇の足ありにけり

煮凝や濁りて低き祖母の声

水鳥の群にまじりてゐはせぬか

猛禽の声の中なる氷柱かな

一斉に氷柱雫となりゐたり

山国のつらら雫にねまりけり

思ひだすことありさうに冬の虹

降りだして冬虹消えてゆくところ

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