ほろ酔いブックレビューin大花見大会
出演●書店員正ちゃん 編集長キム &その他ヤジ馬
語り部●藤マイマイ
春の穏やかな日差しを受けてお花見の宴に混じって行われたブックレビュー。
お花見しつつほろ酔いブックレビュー総集編です。
キム(以下キ):このあいだ発覚したんですけどね、ブックレビューを収録する居酒屋に正田君が本を持ってきて「買え」って言うんで、僕は買うんですよ。でもね、こいつは自分が書店で買うでしょ、読むでしょ、それをそのままそっくり僕に売りつけてるんですよ。
藤実(以下藤):横流しですね。
キ:そう、僕の手元に来た時点で古本じゃないかと僕は思うんですよ。
正ちゃん(以下正):まあまあ、僕が買って読んでよかったなと思う本を紹介するのが前提だから……
キ:そう、僕の手元に来た時点で古本じゃないかと僕は思うんですよ。
正:まあまあ、僕が買って読んでよかったなと思う本を紹介するのが前提だから……
キ:紹介まではいいよ。俺に売るなよ、その本そのまま。
藤:古本料プラス紹介料が入ってるわけですね。
正:で、今日はなに? ここに来られてる方みんなにブックレビューして本を買ってもらおうって企画?
キ:ちがうって! 今日は紹介した本を1冊ずつおもしろかったかどうか検証していこうということで……
第一回 カラー版 新日本大歳時記 愛蔵版 講談社 定価16,000円(2009年4月末まで13,800円)
正:これを一番最初にやらせてもらって、これはまぁ……、大人の事情で……
キ:おお、そうだ、大人の事情だ。
藤:……。(二人とも多くを語らないが、要は「今なら安いよ」的販促活動か)
キ:で、二冊目ですよ。
第二回 『ひとはみな、ハダカになる。』 バクシーシ山下著
理論社 定価1,260円
正:そういえば、この本は、君に紹介して君が読みたいと思えば購入するってシステムの基になった本でしたね。
藤:ああ、そういえばこの回からでしたよね。で、本の内容はどうだったんですか?
キ:これ、面白かったんだけど、読んだ意味があったのかって問題がありますよね。
正:まぁ、性教育の本なんですけど、でも著者の方ご存知ですか?(藤実に向かって)
藤:知らないですよ!男の人には超有名かもしれないけど。
キ:B君(キムさんの友人)は知ってましたよ。「バクシー好きなんだよ」ってね。
正:この人AV監督なんですよ(広瀬君に説明)。
広瀬君(番組制作会社社長?会長?。以下広):いま斜め読みして、そうなんだなと……。でも小見出しとか、フツーじゃん。
キ:そうですよ。だってこれ、子ども向けの本なんですもん。
広:子ども向け!子ども向けなのこれ!
正:小中学校の図書館に入っている本なんですよ。
広:おかしいだろ、それ!
キ:僕らは大人だから(著者の職業がどういうものか)みんな知ってるんだけど、子どもから見たらどうかって……
広:読ませない!(笑)
正:我々はAV監督が小中学生向きに性教育の本を書くっていうこと自体が面白いと思うんですよ。ガチャピン、ムックがスキーをやってるみたいなもんです。(一同爆笑)
キ:いや、むしろガチャピンがスキューバやってる感じだよね。
藤:スキューバ!
キ:大人はあれがどれぐらい大変なのか知ってるじゃないですか。だってこんな錘つけて潜ってるんだよ。
藤:あんなの浮いちゃいますよね。
夏井いつき組長(以下夏):あんたら、ブックレビューなのになんでガチャピンの話で盛り上がってんの? 全然流れが掴めないんだけど。
正:まあともかく、子どもはそんなものかなと受け取るんですよ。この本も大人にとってはAV監督が性教育ってギャップが面白いわけです。君これ買う?
藤:えっと……、借してほしいです♪
第三回 『告白』 湊かなえ著
双葉社 定価1,470円
夏:これ面白かった!
キ:僕、牛乳飲めなくなっちゃいましたよ(苦笑)
正:それは言っちゃいけません。これはでも、非常にベストセラーで……
藤:読みたい!
広:面白そう!
キ:一人称の文体は読んでて新しい感じがしました。
正:もともと、第一章が双葉社が主催している賞を受賞したんですよ。第二章以降は書き下ろしみたいな感じ。
広:これ、映画とかドラマとかになる用に書いてる感じがしますね。
正:そうそう、著者がラジオドラマの脚本書いてるって聞いて納得したんですよ。
キ:これねぇ……たぶん「本屋大賞」に選ばれるね。
正:「本屋大賞」は全国の本屋さんで決める賞なんですが、書店員が投票してますからね。僕の中の「本屋大賞」はこれに決定☆
藤:借ります!
正、キ:買いなさいよ!
第四回 『鈍獣』 宮藤官九郎著 PARCO出版 定価1,470円
正:これはどうでした?
キ:正直これはあんまり好きじゃなかった。戯曲ですよね。これ今度映画になるんでしょ?
正:そう。なるんですよ!
キ:これは、芝居で見たら面白いんだろなと思うんですよ。というのは、ちょっと恥ずかしい事をかわいらしい人に言わせたりしてるんですよ。
正:下ネタが多いんですよ。
キ:目の前に演者がいてそしてやってるって前提で物事が作られていたから、ちょっとエグイ表現があったりするんですけど、まあ読む分においてはねぇ。
正:そうは言っても、これは脚本家の芥川賞といわれる岸田國士賞を受賞してるんですよ。芝居を見ないで戯曲だけで判断する賞ですから、力があるのは間違いないです。
第五回 『完全恋愛』 牧薩次著 株式会社マガジンハウス 定価1,890円
藤:これは正田君の話なんでしょう?
キ:そうそう。
正:ちがうって!
キ:これも面白いのは面白いんですけど……こんな長い本読んだら売り付けざるをえんやろ、別の本読んでる時間もないし、みたいな(笑)
正:この本は辻真先という作家が別名義で書いてる本なんですけど、僕が最初にハマッた作家なんです。その人が今も現役でやってて、去年の「このミステリーがすごい」の第3位に選ばれてたんですよ。
キ:で、読んでみてそうでもなかった、と(笑)
藤:紹介文に「あはは☆」って☆マーク付いてましたよ。
正:あはは☆
キ:堂々の「3位」といったところですかね(笑)
第六回 『資本主義はなぜ自壊したのか』 中谷巌著
集英社 定価1,785円
正:これは僕、ブックレビューやってなかったら読まなかった本ですね。ビジネス書。
キ:これはなんかわかりやすかった。結局、年功序列の方がいいんじゃねえかって話だよね。
正:そうそう、日本には日本の労働のやり方があるんだよって本なんですよ。
藤:どんな人が書いてるんですか?
正:著者はアメリカ型の市場主義を一番最初に日本に導入した人で、まあ小泉内閣の竹中平蔵さんのお師匠さんにあたる人ですよ。とにかく安く商品が買えたらいいんじゃないか、「これ以上安くなったらみんな疲弊してダメになっちゃう」っていうような事情も、もう言うのをやめて市場に任せましょうというのが、まあアメリカ型の市場主義ですね。で、この人はそういうものをアメリカから持ち込んできてやりましたけれども、……まあ……、間違ってました。もうしわけございませんm(_ _)mって本なんですよ。そういうのってあんまり言わないでしょ、だって今までやってきたことを全否定するんですから。
キ:要はアメリカにかぶれたと。アメリカも今は格差が広がってて、それはどうなんぞって話ですよね。
藤:というわけで、一番面白かった本はどれかってことをキムさんから。
キ:僕は『告白』ですね。後味が悪いとか、報われない感じとか色々言われてるみたいですけど、僕は面白かったです。じゃあ、それ以外はブックオフへ(笑)
正:コラコラ。
こうして本を肴に花見酒は続くのでした。
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2009-05-10
09ほろ酔いブックレビューin大花見大会
Posted by wh at 0:38
Labels: いつき組プロデュース
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1 comments:
編集後記に「俳句の本しか読まない、俳句の本すら読まない俳人が結構いるらしい。」とありますが、なるほど、本を読み慣れていない人たちが、本のことを喋ると、こうなるのか、と、妙に納得しながら読ませて頂きました。
それにしても、
「とにかく安く商品が買えたらいいんじゃないか、「これ以上安くなったらみんな疲弊してダメになっちゃう」っていうような事情も、もう言うのをやめて市場に任せましょうというのが、まあアメリカ型の市場主義ですね。」という部分。
????????????
やはり普段から少しは本を読んだほうがよろしいのかもしれません。
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