2009-12-13

後記+プロフィール 138

後記 ● 村田 篠


12月8日に刊行になった21人のアンソロジー句集『新撰21』を、読み始めたばかりです。なんとなく読んでいてワクワクする感じがあるのは、40歳未満の若い作者の作品たちだから、ということもあるでしょうが、作風の違いや所属結社の有無といった枠組にこだわらない括りで作者を選び、1冊として編まれているからではないかと思います。
作者によって、「天地揃え」と「字間統一」のどちらか好きな方の俳句の組み方を選べる編集になっていて、両方が1冊の中に混在しているのは、面白いと思いました。俳句にとって、その並べ方はもちろん重要ですが、組み方、見せ方も大きなファクターです。

「週刊俳句」でも、このアンソロジーに絡んでの企画を考えています。どうぞご期待下さい。

 

さて、今週の「週刊俳句」。俳句掲載のなかった先週の分も、というわけではありませんが、今週は10句作品が3作と豪華です。どうぞご堪能下さい。

 

先週に続いて、ウラハイ(土曜日更新)からのお知らせもあります。長谷川裕さんの俳諧スピーチバルーン「仲良し手帖」が掲載中です。草創期から1960年代ぐらいまでの少女マンガに材を採った10句からは、「カワイイ」「キレイ」では括れない「少女」の原型のようなものが窺われ、興味を惹かれます。

 

ではまた、次の日曜日にお会いしましょう。


no.138/2009-12-13 profile


■長谷川櫂 はせがわ・かい
1954年、熊本県生まれ。
俳句結社「古志」主宰、朝日俳壇選者、季語と歳時記の会代表。
東京大学法学部卒業後、読売新聞記者を経て俳句に専念。
『俳句の宇宙』(花神社)でサントリー学芸賞(1990年)、句集『虚空』(花神社)で読売文学賞(2003年)を受賞。
著書に『長谷川櫂全句集』(花神社)、『古池に蛙は飛びこんだか』(花神社)、『決定版 一億人の俳句入門』(講談社現代新書)、『俳句的生活』(中公新書)、『国民的俳句百選』(講談社)、『和の思想』(中公新書)、『俳人論』(花神社)などがある。
2004年から「読売新聞」に詩歌コラム「四季」を連載。

■鳴戸奈菜 なると・なな
1943年京城生。 76年、永田耕衣主宰「琴座」入会、翌々年同人。79年、清水径子、中尾寿美子等と研究句会「らんの会」結成。92年「豈」に参加、2003年退会。97 年、「琴座」終刊。同年、第49回現代俳句協会賞受賞。98年、「らんの会」を母体として季刊同人誌「らん」創刊、発行人を務め現在に至る。句集に『イ ヴ』『天然』『月の花』『微笑』など。評論集に『言葉に恋して―現代俳句を読む行為』など。編著書に『田荷軒狼箴集』、英訳書に『この世のような夢―永田 耕衣の世界』など。現代俳句協会幹事、国際俳句交流協会会員、日本文藝家協会会員。現在、大学非常勤講師。

■高橋雅世 たかはし・まさよ
1958年生。「雲」同人、「はるもにあ」会員、俳人協会会員。

■斉田 仁 さいだ・じん
1937年群馬県高崎市生まれ。1971年「麦」入会。現在「麦」同人、現代俳句協会会員。句集に『斉田仁句集』(1982年・八幡船社)ほか。

■小池康生 こいけ・やすお
大阪出身大阪在住。「銀化」新人賞受賞。「銀化」同人。俳人協会会員。

■野口 裕 のぐち・ゆたか
1952 年兵庫県尼崎市生まれ。二人誌「五七五定型」(小池正博・野口裕)。2月1日に、第三号を発行。入手希望の方は、 yutakanoguti@mail.goo.ne.jpまで。進呈します。 サイト「野口家のホームページ」


■杉山久子 すぎやま・ひさこ
平成元年より俳句を始める。「藍生」「いつき組」所属。
第三回藍生新人賞、第二回芝不器男俳句新人賞受賞。句集「春の柩」

■澤田和弥 さわだ・かずや
1980年生。「天為俳句会」所属。

■江渡華子 えと・はなこ
1984年生まれ。いて座のO型。2002年、第四回神奈川大学青春俳句大賞・最優秀賞受賞、2007年、第一句集『光陰』。

■小林哲也 こばやし・てつや
1957 年兵庫県伊丹市生まれ。サイト"April in Snow" (現在、更新停止中)、ブログ"豆腐に柳" を細々と運営中。

さいばら天気 さいばら・てんき
1955年兵庫県生まれ。1997年「月天」句会で俳句を始める。1998~2007年「麦」在籍。現在「豆の木」会員。現代俳句協会会員。2003年「麦」新人賞、05年、06年「豆の木賞」受賞。ブログ「七曜堂

■村田 篠 むらた・しの
1958年、兵庫県生まれ。2002年、俳句を始める。2003年「魚座」入会。2005年「魚座」新人賞。2006年「魚座」終刊。現在「雲」同人。「月天」会員。俳人協会会員。「Belle Epoque」

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