2009-12-27

後記+プロフィール 140

後記 ● さいばら天気


今年もあと数日。2009年最後の週俳は盛りだくさん。年末スペシャルとして一年を振り返り、「ウラハイ」や「アマゾン・アフィリエイト」の説明も掲載しています。

108人108句」と、なにやら暗示的な数となった2009年のアンソロジー。私などは、アイウエオ順で並んだ俳人のお名前を眺めているだけで、「なんだかすごいことになってきたな、週刊俳句も…」と。

その流れで、この話はひじょうに何なのですが、「週俳当番」の4名が7句作品を掲載させていただいています。昨年と同様、読者諸氏の今年一年の御愛顧に感謝しつつ、ということで。

7句という句数、目次の「下のほう」という位置。このあたりに、われわれの心持ちやら何やらを斟酌していただけるものと信じております。



このあいだの12月23日、『新撰21』刊行記念のシンポジウム+パーテイにお邪魔してきました。その模様は、酒井俊祐さんの「俳句からスーパースターを生む」で読んでいただくことにして、数時間ほど、ああいう場所にいると、祝賀の気分とは別に、なんというか、その、軋みのようなものも伝わってきます。きっと、ああいうセレクションを苦々しく思っている人もいるんだろうな、と。

けれども、何かを思い立ち、それを実現させることは、やはり、ステキなことです。企画から刊行までこのプロジェクトを推進した功労者のひとり、筑紫磐井氏の「いろいろなことを言われるだろうが、やったもん勝ち」の弁は、そのとおりなのです。「週刊俳句」もまた、やったもん……勝ち、とは言いませんが、始めてみれば何かが起こるわけです。

何かが起こったら、それに反応していくのが、わわわれ「週俳当番」の仕事です。プランはあらかじめ存在するのではなく、その場その場で生起していく。出来事と企画がぐるぐると循環していくのが「週刊俳句」のようですよ、どうも。…と他人事のように。



〔新撰21より〕シリーズは、山田露結さんによる「北大路翼の一句」と関悦史さんによる「九堂夜想の一句」。年を跨いで続々と記事登場の予定です。お楽しみに。



小池康生さんの「商店街放浪記」、野口裕さんの「林田紀音夫全句集拾読」、両シリーズとも越年。お楽しみはまだまだ続きます。



今週のhaiku mp(動画)は「世界は日の出を待っている The World is Waiting for the Sunrise」。この時期ぴったりだ、と、自分で喜んでいます。初日の出を待つ年の瀬というだけでなく、いろいろ。『新撰21』で多くの若手作家の作品や文章が人の目に触れることになるでしょうが、それで陽が昇るとは限らない。俳句世間は、まだ、日の出を待っているのだと思います。



新年詠も昨年と同様、募集いたします。年が明けたらどうぞお忘れなく、メールで投句ください。



それでは皆様、良い年をお迎えください。


no.140/2009-12-27 profile


酒井俊祐 さかい・しゅんすけ
1986年生まれ。愛知県出身。大学生。卒業も就職先も危うい今日この頃です。ブログ「sakaish!!!」

■山田露結 やまだ・ろけつ
1967年生まれ、愛知県在住。「銀化」同人。第九回「銀化新人賞」受賞。銀化十周年コンクール「銀翼賞」小澤實賞受賞。ブログ「露結の庭」http://yamadarockets.blog81.fc2.com/

■関悦史 せき・えつし
1969年、茨城生まれ。第1回芝不器男俳句新人賞城戸朱理奨励賞受賞。
URL:http://etusinoheya.hp.infoseek.co.jp/(管理人は別人)
URL:http://kanchu-haiku.typepad.jp/blog/(句集紹介用ブログ

■小池康生 こいけ・やすお
大阪出身大阪在住。「銀化」新人賞受賞。「銀化」同人。俳人協会会員。

■野口 裕 のぐち・ゆたか
1952 年兵庫県尼崎市生まれ。二人誌「五七五定型」(小池正博・野口裕)。2月1日に、第三号を発行。入手希望の方は、 yutakanoguti@mail.goo.ne.jpまで。進呈します。 サイト「野口家のホームページ」


■佐藤文香 さとう・あやか
1985年生まれ。「ハイクマシーン」「里」所属。第二回芝不器男俳句新人賞対馬康子審査員奨励賞受賞。2008年、句集『海藻標本』上梓。

■上田信治 うえだ・しんじ 
1961年生れ。「ハイクマシーン」「里」「豆の木」で俳句活動。ブログ「胃のかたち」

■村田 篠 むらた・しの
1958年、兵庫県生まれ。2002年、俳句を始める。2003年「魚座」入会。2005年「魚座」新人賞。2006年「魚座」終刊。現在「雲」同人。「月天」会員。俳人協会会員。「Belle Epoque」

■山口優夢 やまぐち・ゆうむ
1985 年、東京生まれ。東京大学大学院修士課程2年。東大・早稲田など東京の学生俳句サークルやTHCの句会などに参加。第六回俳句甲子園団体優勝・個人最優秀 賞。第 二回龍谷大学青春俳句大賞大学生部門最優秀賞。第四回鬼貫青春俳句大賞優秀賞。好きな惑星は火星。ブログ「そらはなないろ」

さいばら天気 さいばら・てんき
1955年兵庫県生まれ。1997年「月天」句会で俳句を始める。1998~2007年「麦」在籍。現在「豆の木」会員。現代俳句協会会員。2003年「麦」新人賞、05年、06年「豆の木賞」受賞。ブログ「俳句的日常

2 comments:

高山れおな さんのコメント...

週刊俳句編集部のみなさま

「新撰21より」の企画、厚く御礼申し上げます。23日の会でも申しましたが、週刊俳句→豈weekly→スポンサー登場→新撰21という流れですから、こちらでお取り上げいただくのは、サケが生まれた川に戻るようなものかも知れません。また、編集の途上でも、週刊俳句をデータベースとして、いろいろ参照させていただいてもおります。これからも続々と記事がアップされる由、拝読するのを楽しみにしております。高山れおな拝

tenki さんのコメント...

れおなさん、恐れ入ります。

新撰21竟宴は盛会でしたね。

我尼吾さんもおっしゃっていましたが、ふつうパネルディスカッションといってもパネラーが順繰りにしゃべって終わり。新撰21竟宴では、パネラー同士の応酬があり、おもしろかったです。れおなさんや磐井さんの功績と思います。