後記 ● 村田 篠
今週号に掲載した田中裕明の「夜の形式」を読み、いま、そこから離れられずにいます。一読してすぐに理解できる文章ではないのですが、しずかに心に浸透していって、やがて根源から揺すぶられるような感じがします。
それは、たぶん、とても本質的なことだと感じられるのですが、それと同時になにかの種子のようなもので、それを読んだ人間がそのなにかについて考え始めるための、ほのかな、でも決して消えることのない熱、のようなものかもしれない、とも思えます。
こう書いてしまうと、それも違うような気がしてしまうのですが。
「夜の形式」に書かれていることは、もちろん、俳句だけの問題ではなくて、すべてに通じることです。ですが、この文章がひとりの俳人によって、しかも、まだとても若い頃に書かれた、ということを、不思議にも面白くも感じます。しばらくここに立ち止まって、田中裕明の俳句を再読してみたい、と思います。
四ッ谷龍氏の講演「田中裕明『夜の形式』とは何か」のレポート(上田信治記)及び「田中裕明の不思議な句100句」(上田撰)と併せて、ぜひお読み下さい。
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シリーズでお送りしています〔新撰21の1句〕に加え、今週から、山口優夢の〔新撰21の20人を読む〕が始まりました。こちらの特集も充実しています。どうぞたっぷりとお楽しみ下さい。
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それではまた、次の日曜日にお会いしましょう。
no.145/2010-1-31 profile
■三木基史 みき・もとし
1974年生まれ。「樫」所属。第26回現代俳句新人賞。
■谷 雄介 たに・ゆうすけ
1985年愛媛県生まれ。「トーキョーハイクライターズクラブ」所属。
■小川春休 おがわ・しゅんきゅう
1976年、広島生まれ。1998年「童子」入会。2009年「澤」入会。現在「童子」同人、「澤」会員。句集『銀の泡』。サイト「ハルヤスミ web site」
■小川楓子 おがわ・ふうこ
1983年、神奈川県生まれ。「海程」「青山俳句工場」所属。
■久留島元 くるしま・はじめ
1985年1月11日生。第四回俳句甲子園出場。塩見恵介に師事。同志社大学大学院在学。専攻は説話文学。「船団」会員。blog「曾呂利亭雑記」
■松本てふこ まつもと・てふこ
1981年生まれ。2000年、早稲田大学第一文学部入学直後に早大俳句研究会に入会、作句開始。2004年、俳句結社「童子」に入会。同年「新童賞」受賞。2006年『現代俳句精鋭選集7』(東京四季出版)に参加。
■西村 麒麟 にしむら・きりん
1983年生れ、「古志」所属。
■佐藤明彦 さとう・あきひこ
1952年北海道生まれ。現在「童子」編集長。
■しなだしん しなだ・しん
1962年、新潟県 柏崎市生まれ。東京都新宿区在住。1997年「青山」入会。1999年「青山」同人、俳人協会会員。2002年「田」創立に編集人として参加。2006年 まで同編集長。2008年、第一句集『夜明』(ふらんす堂)刊行。「青山」「田」「OPUS」所属。ブログ「スケッチブッ句」 http://blogs.yahoo.co.jp/hai_goshichigo
■浜いぶき はま・いぶき
1987年、東京生まれ。大学入学直後に慶大俳句に入会、俳句をはじめる。他大学などの句会にも参加。
■金子 敦 かねこ・あつし
1959年神奈川県生まれ。1985年作句開始。「門」「新樹」を経て、現在は「出航」に所属。1996年第一句集『猫』上梓。1997年俳壇賞。 2004年第二句集『砂糖壺』上梓。2008年第三句集『冬夕焼』上梓。俳人協会会員。
■野口 裕 のぐち・ゆたか
1952 年兵庫県尼崎市生まれ。二人誌「五七五定型」(小池正博・野口裕)。2月1日に、第三号を発行。入手希望の方は、 yutakanoguti@mail.goo.ne.jpまで。進呈します。 サイト「野口家のホームページ」
■上田信治 うえだ・しんじ
1961年生れ。「ハイクマシーン」「里」「豆の木」で俳句活動。ブログ「胃のかたち」。
■山口優夢 やまぐち・ゆうむ
1985 年、東京生まれ。東京大学大学院修士課程2年。東大・早稲田など東京の学生俳句サークルやTHCの句会などに参加。第六回俳句甲子園団体優勝・個人最優秀 賞。第 二回龍谷大学青春俳句大賞大学生部門最優秀賞。第四回鬼貫青春俳句大賞優秀賞。好きな惑星は火星。ブログ「そらはなないろ」
■村田 篠 むらた・しの
1958年、兵庫県生まれ。2002年、俳句を始める。現在「月天」「塵風」「百句会」会員。俳人協会会員。「Belle Epoque」
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2010-01-31
後記+プロフィール 145
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