二輪草 渡辺誠一郎
春山の姉は小さな光食べ
十万億土仄仄とあれうかれ猫
蜻蛉生る遠い汽笛を聞くように
躙り口より二輪草を招き入れ
明易の情欲である大絵皿
臨時総会なる薄暗がりに日傘
昼寝の首が伸び水車回り出す
まなじりに滝音切れ字がわからない
掻き抱くなら文摺の石火取虫
夏帽をこの世に忘れ昭和の忌
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2010-05-23
10句作品テキスト 渡辺誠一郎 二輪草
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photo by Tenki SAIBARA
二輪草 渡辺誠一郎
春山の姉は小さな光食べ
十万億土仄仄とあれうかれ猫
蜻蛉生る遠い汽笛を聞くように
躙り口より二輪草を招き入れ
明易の情欲である大絵皿
臨時総会なる薄暗がりに日傘
昼寝の首が伸び水車回り出す
まなじりに滝音切れ字がわからない
掻き抱くなら文摺の石火取虫
夏帽をこの世に忘れ昭和の忌
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1 comments:
二輪草 渡辺誠一郎
躙り口より二輪草を招き入れ
明易の情欲である大絵皿
まなじりに滝音切れ字がわからない
掻き抱くなら文摺の石火取虫
夏帽をこの世に忘れ昭和の忌
渡部誠一郎様。ごぶさたです。「小熊座」掲載のお作は拝見していますが、改めてまとめて十句読むと、この頃貴下は、どういう世界にリアリティを感じているのだ、ということがわかります。
春山の姉は小さな光食べ
十万億土仄仄とあれうかれ猫
は、妖異でかつ軽みのある雰囲気、
蜻蛉生る遠い汽笛を聞くように
これも、十万億土のあちことに異散らばっている、生きものの生のあり方が幻想されていて、独特でした、
世界を狭いと感じるか、廣いと感じるか?その人の感受性次第です。
臨時総会なる薄暗がりに日傘
昼寝の首が伸び水車回り出す
普段着の世界にも楽しくあやしいところがありました。
鬼房氏ご存命の頃、塩竃にお訪ねしたころをなつかしくおもいだします。東北はいまでもわたあいには、幻想的な土地のようです。(堀本吟)
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