2010-12-19

後記+プロフィール191

後記 ● 山口優夢

最近少し話題になっていたようですが、「100万回生きたねこ」という絵本を、本屋のバイト中にこそこそと立ち読みしました。後半部のしろいねこが出てくる後もとても好きなのですが、前半部の100万回生きているところをじっくり読みたいと思いつつ、こそこそ立ち読みなのでそれも叶わず。今度ちゃんと買って読みます。店長、許してください。

なんでこの絵本のことを思い出したかと言うと、某所で飲み会をしているときに絵本のタイトルを誰かが言い間違えて「100万回死んだねこ」って言ってたのですね。「100万回死んだねこ、って、どんだけネガティブなタイトルなんだよ!」と心の中でツッコミを入れていたわけですが、そんな一語違うだけで印象違うもんなんだな、と感慨にふけったのでした。言葉の印象の違いって、そこから連想されてくるものの違いなのでしょうね。100万回生きた、ってことは、つまり100万回死んだ、ってことで、意味としては同じなんだけれども、「100万回死んだねこ」では、あまりにもねこがかわいそうな気がしてくるのは、100万回の「生」よりも100万回の「死」が連想されるからなんでしょう。

逆にどういう言葉を選ぶかによって、その人の頭の中まで芋づる式に手繰られてしまうところがあって、つくづく言葉というのは難しいなあ、とベタな感想を抱いたのでした。

…と思っていたら、昔は「100万回死んだねこ」だった、という都市伝説がウィキペディアに載っているようですね(こちら)。



今週号はまた内容の濃い、というか、あくが強い誌面になりました。10句作品として渋いお二人が並んだかと思えば、それに続くは二輪通さん改め荒川倉庫さんの豚150句、圧巻です。これは北斗賞で佳作をとった作品でした。そして、3回にわたって続きました岸本尚毅インタビューは今回が最終回。今回は二次会に席を移しています。急遽募集させていただいた不健全図書句集も、この人は外せない、と言う人から、こんな人も書いてくれたんだ、という人まで取りそろえています。ぜひご一読を。

先日刊行された超新撰についても、今週号は一本しか記事が挙がっていませんが、そのうちいくつか記事が出てくることでしょう。乞うご期待。



では、また、次の日曜日にお会いしましょう。来週は今年最後の週俳です。


no.191/2010-12-19 profile

■高橋博夫 たかはし・ひろお
1957年生まれ。1993~99年、森澄雄主宰誌「杉」編集。句集『春雪』(花神社)。『岡井省二の世界』(北宋社)に評論所収。2011年1月から、上野一孝と共に季刊俳句冊子「梓」創刊、編集人。俳人協会会員。文芸誌「孤帆」所属。「立原道造〈ヒアシンスハウスの会〉」、「SMF(さいたまミューズフォーラム)」各運営委員。「會津八一〈秋艸会〉」会員。文芸の他、美術評論を執筆。50歳にて教職を退き、ただいま隠栖中(妻ひとり・男児ひとりの所謂、専業主夫)。

■広渡敬雄 ひろわたり・たかお
1951年福岡県生まれ、 現在千葉市在住。平成元年作句開始、能村登四郎に師事。
「沖」同人、「青垣」会員、俳句協会会員。平成11年「遠賀川」(ふらんす堂)上梓。同句集で中新田俳句大賞候補(次席)。平成21年 「ライカ」上梓(ふらんす堂)

■荒川倉庫 あらかわ・そうこ
1972年千葉県生まれ。第1回北斗賞にて佳作。応募時「俳号・二輪通」と本名の隣りに明記したにもかかわらず、なぜか本名で掲載される。二輪通が俳号っぽくないからこんなことになったのか?  これからは誰が見てもそれとわかる俳号、「荒川倉庫」と名乗ることにします。

■岸本尚毅 きしもと・なおき
1961年岡山県生まれ。現在「天為」「屋根」同人。

■生駒大祐 いこま・だいすけ
1987年三重県生まれ。「東大学生俳句会」等で活動。

■野口 裕 の ぐち・ゆたか
1952 年兵庫県尼崎市生まれ。二人誌「五七五定型」(小池正博・野口裕)は4月10日に第四号を発行。入手希望の方は、yutakanoguti@mail.goo.ne.jp  ま で。進呈します。 サイト「野口家のホーム ページ」

■松本てふこ まつもと・てふこ
1981年生まれ。2000年、作句開始。2004年「童子」入会。同年「新童賞」受賞。2006年 『現代俳句精鋭選集7』(東京四季出版)に参加。2009年『新撰21』(邑書林)に小論で参加。2010年「童子」同人。

■葛城真史 かつらぎ・まさし
1987年2月11日、東京生まれ。学生時代より「草門会」で連句をやってをり、2006年、「鷹」に入り俳句を始める。作品の根底にある「毒」を大事にしている。

■山田耕司 やまだ・こうじ
1967年生まれ。俳句同人誌「未定」を経て、俳句同人誌「円錐」創刊に参加。その後、俳句作品の発表を中断。2010年 句集『大風呂敷』出版。現在、「円錐」同人。サイト 大風呂敷 

■利普苑るな りーふぇん・るな
1959年、広島県生まれ。大阪府在住。「鷹」会員。塾講師。

■中嶋憲武 なかじま・のりたけ
1994年、「炎環」入会とほぼ同時期に「豆の木」参加。2000年「炎環」同人。03年「炎環」退会。04年「炎環」入会。08年「炎環」同人。

■羽田野 令 はたの・れい
大分県生まれ。京都市在住。「吟遊」同人。山繭の会(短歌)会員。メルマガ「ふわりと一句」、ブログ「けふえふえふとふてふ」

■中塚健太 なかつか・けんた
1962年兵庫県生まれ。東京都在住。2005年「銀化俳句会」入会。2010年同会新人賞。同会同人。

■杉原祐之 すぎはら・ゆうし
昭和54年生、大学入学時に先輩に拉致監禁され俳句を始める。「山茶花」飛天集同人、「夏潮」運営委員。平成22年4月に句集『先つぽへ』を刊行。趣味は旅行。最近ジムとサイクルロードレースにはまる。

■御中 虫 おなか・むし
所属結社なし。

■鈴木牛後 すずき・ぎゅうご
1961年生まれ。いつき組組員。

■藤 幹子 ふじ・みきこ
1978生。『炎環』会員。岡山在住。

■山田露結 やまだ・ろけつ
1967年生まれ。愛知県在住。「銀化」同人。ホームページ「山田露結の頭の中

■矢野風狂子 やの・ふうきょうし
1975年福岡県生まれ。福岡県在住。自由律俳句(随句)結社『草原』同人。

■上野葉月 うえの・はづき
『豆の木』『THC』で活動中。ブログ「葉月のスキズキ」

■すずきみのる すずき・みのる
1955年生まれ。京都市在住。俳人協会会員。「参」「鼎座」所属。句集『遊歩』。 『日々録』ブログ版 

■中村 遥 なかむら・はるか
1954年兵庫県生まれ神戸在住。
2000年「斧」入会。斧新人賞,斧同人賞受賞、斧同人、05年朝日俳句新人賞準賞受賞。

■大塚めろ おおつか・めろ
1956年愛媛県生まれ。只今「いつき組」で悪戦中。なんとなくブレイクの予感!

■小池康生 こいけ・やすお
大阪出身大阪在住。「銀化」新人賞受賞。「銀化」同人。俳人協会会員。

■灌木 かんぼく
1948年生れ、大阪在住。H句会ひよこ組。

■十月知人 とつき・ともひと
岡山市出身。2010年からネット上で俳句や詩を発表。

■上田信治 うえだ・しんじ 
1961年生れ。「ハイクマシーン」「里」「豆の木」で俳句活動。ブログ「胃のかたち」

さいばら天気 さいばら・てんき1955年兵庫県生まれ。1997年「月天」句会で俳句を始める。1998~2007年「麦」在籍。現在「豆の木」会員。現代俳句協会会員。2003年「麦」新人賞、05年、06年「豆の木賞」受賞。ブログ「俳句的日常」「七曜堂」 twitter

■山口優夢 やまぐち・ゆうむ
1985 年、東京生まれ。東大・早稲田など東京の学生俳句サークルやTHCなどの超結社句会に参加。第六回俳句甲子園団体優勝・個人 最優秀賞。第二回龍谷大学青春俳句大賞大学生部門最優秀賞。第四回鬼貫青春俳句大賞優秀賞。好きな惑星は火星。2008年12月より銀化所属。アンソロ ジー『新撰21』(2009)に参加。2010年第56回角川俳句賞受賞。ブログ「そらはなないろ」