後記 ● 上田信治
これは、句会の連絡メールにも書いた話の使い回しなので、もう読まれた方は、飛ばしていただきたいんですけど、この間の、金曜日の午後、久しぶりに、テニススクールに行ってきました。
もう一〇年以上通っていますが、いまだに初心者クラスです。初心者クラスとしては、そうとうに習熟してきている気がするのですが、この一〇年、中級者クラスの人たちも、同じように進歩しているので、いつまでも上に上がれないのです。
先月の地震の日が、ちょうど行くはずだった日で、それ以来でした。
いやあ、人が来ていませんでしたね。
三コートあって、いつも十七八人は、来てるんですが、中級上級クラスの人は、一人も来ていなかった。駐在員の奥さんたちが多くて、そういう人はみんな国へ帰ってしまったらしい。あと、やっぱりその気になれないっていうのは、ある。
その日、初心者クラスは、私たち夫婦と、七〇代の男性一人と、コーチの四人で、ゲーム形式の演習をしました。四人なんで、声なんかひびいてしまうわけですが、これがね。
楽しかったんですよ。
さびしかったけど、楽しかった。この楽しさは、憶えておこうと思いました。
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彌榮浩樹さんが、群像新人賞(評論部門)を受賞されました。「1%の俳句 一挙性・露呈性・写生」。5月7日発売の「群像」に掲載されます。これは楽しみです。
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楽しみと言えば、筑紫磐井さん高山れおなさん肝いりの「三詩型交流企画~詩歌梁山泊」公式サイト「詩客SHIKAKU」の創刊準備号がアップされました。
すごいボリュームになりそう。ていうか、ほぼ俳句が乗っ取ってしまう見通し。れおなさんから、冗談めかして「関さん返して下さい」と言われましたが、お返ししません。ていうか、なんなんですか、その猫の子のやりとりみたいな言い様は。
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こちらの時評も、前号の生駒大祐さんに続いて、五十嵐秀彦さんに、レギュラーに加わっていただき、ますますの充実です。五十嵐さんは、噺の枕に、俳句の「批評の不活発」を言われていますが、おそらくこれまでも個々の動きと成果はあったわけで、「不活発」は、それがクロスし増幅し次につながっていく、ということがないという問題かもしれません。「詩客SHIKAKU」も「週刊俳句」も、同じ課題を背負っていることになるのでしょう。
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一回目から大反響だった、今井さんの「奇人怪人俳人」二回目は、野宮猛夫さん。この人の句はたしかに、すげえです。単なる天才かも。
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それでは、また、次の日曜日にお会いしましょう。
no.209/2011-4-24 profile
■関根誠子 せきね・せいこ
1947年4月群馬県に生まれる。国立音楽大学声楽科を卒業。
1988年「寒雷」入会。
現在、「寒雷」「つうの会」「や」「炎環」所属。現俳協会員。
第一句集『霍乱』、この五月に第二句集『浮力』を出版予定。
東京都渋谷区初台在住。
■羽田野 令 はたの・れい
1950年生。「吟遊」「鏡」「ヤママユ」(短歌)「義仲寺」(連句)所属。メルマガ「ふわりと一句」、ブログ「けふえふえふとふてふ」
■今井 聖 いまい・せい
1950 年新潟に生まれ鳥取に育つ。14歳より作句。1971年「寒雷」入会。「寒雷」編集部を経て、1996年「街」創刊、主宰。脚本家として映画「エイジアン ブルー」他。句集『北限』『谷間の家具』。2007年『バーベルに月乗せて』(花神社)。2009年、長編エッセイ『ライク・ア・ローリングストー ン』(岩波書店)「街」HP
■五十嵐秀彦 いがらし・ひでひこ
1956年生れ。札幌市在住。現代俳句協会会員、「藍生」会員、「雪華」同人、迅雷句会世話人。第23回(2003年度)現代俳句評論賞。サイト「無門」
■澤田和弥 さわだ・かずや
1980年生。「天為俳句会」所属。
■野口 裕 のぐち・ゆたか
1952 年兵庫県尼崎市生まれ。最終号となる、二人誌「五七五定型」(小池正博・野口裕)第五号を鋭意作成中。既刊希望の方は、yutakanoguti@mail.goo.ne.jp まで。進呈します。サイト「野口家のホーム ページ」
■上田信治 うえだ・しんじ
1961年生れ。「ハイクマシーン」「里」「豆の木」で俳句活動。共著『超新撰21』(2010)。ブログ「胃のかたち」
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2011-04-23
後記+プロフィール 209……上田信治
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