うつ伏せ 北川あい沙
明け方のパセリはいつも濡れてをり
くるぶしは心細くて梅雨に入る
うつ伏せをまた叱られてゐて素足
クレマチスから私まであと少し
六月の夢に見知らぬ部屋のあり
百合切りて思ひ違ひにふと気付く
枇杷の絵のいつを仕上げとしたものか
炒めると夏の野菜の透きとほる
錆びてゐるパイナップルの缶詰が
桜実にさう言へば今日誕生日
●
2012-06-10
10句作品テキスト 北川あい沙 うつ伏せ
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photo by Tenki SAIBARA
うつ伏せ 北川あい沙
明け方のパセリはいつも濡れてをり
くるぶしは心細くて梅雨に入る
うつ伏せをまた叱られてゐて素足
クレマチスから私まであと少し
六月の夢に見知らぬ部屋のあり
百合切りて思ひ違ひにふと気付く
枇杷の絵のいつを仕上げとしたものか
炒めると夏の野菜の透きとほる
錆びてゐるパイナップルの缶詰が
桜実にさう言へば今日誕生日
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