後記 ● 村越 敦
はじめまして。この春に社会人になられた生駒大祐さんに代わって、今号から週刊俳句の運営のお手伝いをすることになりました、村越敦と申します。
拙いところ、未熟なところ、いささか暑苦しいところなどなどいろいろあるとは思いますが、どうか温かい目で見守っていただけると幸いです。
(叱咤激励、随時お待ちしております。)
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さていきなりで恐縮ですが、私は、先日の週俳5周年オフ会の最後の挨拶で池田澄子さんがおっしゃっていた「週刊俳句は権威にならないところがよい」という趣旨の発言(万一違っていたらごめんなさい)にいたく感銘を受けると同時に、その発言は自身の中に大きな謎を残しました。
というのもコミュニティがどのようにしてモチベートされ、統合されていくのかといったことに最近かなり興味があって、さしあたっては宗教的で強固なアイデンティティー(それは信念のような実体のないものだけではなく、共通の歌やロゴ、さらには超人的なカリスマ性を持った人間に拠る場合もある)が生まれると、爆発的な推進力をもって右肩上がりで組織の紐帯が深まっていくのだろうなぁなどと、ぼんやり考えていたからでした。
つまり何が言いたいかというと、週俳には、そうした拠って立つべきアイデンティティーがないんですね。投句される記事や作品になにかルールがあるわけでもなし、週俳がブランド化しているわけでもなし、ましてや天気さんや信治さんの顔が週拝のシンボルになったりもしない。週俳は、どこまでも自由で、どこまでもアナーキー。
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では、週俳はいったい何に拠っているのでしょうか。
長くなってはあれなのでもう結論を急ぎますが、これは単純に「俳句が好き」だという1点のみではないでしょうか。
いろいろ理由はあるけれど、なぜか俳句のことを考えずにはいられない、そういう人が「俳句が好き」だというシンボルのもと統合され、自由に・対等にいろいろなものを発表していく。こういう奇跡的なプラットフォームが、たぶん、ここなんだろうなぁと思うのです。
私もまた、なんだかわからないけれども俳句のことを考えずにはいられないという人のひとりであったのですが、縁あって今度は週刊俳句という場の「中の人」になってしまいました。
なので、運営史上初の「平成生まれ」(自分で言ってしまった!(笑))という看板を生かして、いままで通り「アナーキー」な週俳であり続けるよう、精一杯頑張りたいと思います。
あらためまして、今後とも何卒どうぞよろしくお願いいたします。
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それでは、また、次の日曜日にお会いしましょう。
no.267/2012-6-3 profile
■佐川盟子 さがわ・めいこ
1962年福島県生まれ、東京都在住。一滴会、つうの会。
はじめまして。この春に社会人になられた生駒大祐さんに代わって、今号から週刊俳句の運営のお手伝いをすることになりました、村越敦と申します。
拙いところ、未熟なところ、いささか暑苦しいところなどなどいろいろあるとは思いますが、どうか温かい目で見守っていただけると幸いです。
(叱咤激励、随時お待ちしております。)
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さていきなりで恐縮ですが、私は、先日の週俳5周年オフ会の最後の挨拶で池田澄子さんがおっしゃっていた「週刊俳句は権威にならないところがよい」という趣旨の発言(万一違っていたらごめんなさい)にいたく感銘を受けると同時に、その発言は自身の中に大きな謎を残しました。
というのもコミュニティがどのようにしてモチベートされ、統合されていくのかといったことに最近かなり興味があって、さしあたっては宗教的で強固なアイデンティティー(それは信念のような実体のないものだけではなく、共通の歌やロゴ、さらには超人的なカリスマ性を持った人間に拠る場合もある)が生まれると、爆発的な推進力をもって右肩上がりで組織の紐帯が深まっていくのだろうなぁなどと、ぼんやり考えていたからでした。
つまり何が言いたいかというと、週俳には、そうした拠って立つべきアイデンティティーがないんですね。投句される記事や作品になにかルールがあるわけでもなし、週俳がブランド化しているわけでもなし、ましてや天気さんや信治さんの顔が週拝のシンボルになったりもしない。週俳は、どこまでも自由で、どこまでもアナーキー。
●
では、週俳はいったい何に拠っているのでしょうか。
長くなってはあれなのでもう結論を急ぎますが、これは単純に「俳句が好き」だという1点のみではないでしょうか。
いろいろ理由はあるけれど、なぜか俳句のことを考えずにはいられない、そういう人が「俳句が好き」だというシンボルのもと統合され、自由に・対等にいろいろなものを発表していく。こういう奇跡的なプラットフォームが、たぶん、ここなんだろうなぁと思うのです。
私もまた、なんだかわからないけれども俳句のことを考えずにはいられないという人のひとりであったのですが、縁あって今度は週刊俳句という場の「中の人」になってしまいました。
なので、運営史上初の「平成生まれ」(自分で言ってしまった!(笑))という看板を生かして、いままで通り「アナーキー」な週俳であり続けるよう、精一杯頑張りたいと思います。
あらためまして、今後とも何卒どうぞよろしくお願いいたします。
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それでは、また、次の日曜日にお会いしましょう。
no.267/2012-6-3 profile
■佐川盟子 さがわ・めいこ
1962年福島県生まれ、東京都在住。一滴会、つうの会。
■藤田哲史 ふじた・さとし
1987年、三重県生まれ。2009年、澤新人賞受賞。共著に『新撰21』。2010年、俳句雑誌「傘[karakasa]」を発刊。2011年、生駒大祐と音声映像配信企画「Haiku Drive」をスタート。
■松尾清隆 まつお・きよたか
1977年神奈川県生まれ。「松の花」同人。
■松尾清隆 まつお・きよたか
1977年神奈川県生まれ。「松の花」同人。
■しなだしん しなだ・しん
1962年、新潟県柏崎市生まれ。東京都新宿区在住。1997年「青山」入会。1999年「青山」同人、俳人協会会員。2002年「田」創立に編集人として参加。2006年まで同編集長。2008年、第一句集『夜明』(ふらんす堂)刊行。「青山」「田」「OPUS」所属。ブログ「スケッチブッ句」
■小川春休 おがわ・しゅんきゅう
1976年、広島生まれ。1998年「童子」入会。2009年「澤」入会。現在「童子」同人、「澤」会員。句集『銀の泡』。サイト「ハルヤスミ web site」
■野口 裕 のぐち・ゆたか
1952年兵庫県尼崎市生まれ。二人誌「五七五定型」(小池正博・野口裕)完結しました。最終号は品切れですが、第一号から第四号までは残部あります。希望の方は、yutakanoguti@mail.goo.ne.jp まで。進呈します。サイト「野口家のホーム ページ」
■村越 敦 むらこし・あつし
1990年、東京都国立市生まれ。現在大学4年、東大俳句会幹事。
1990年、東京都国立市生まれ。現在大学4年、東大俳句会幹事。
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1 comments:
オフ会での私、正確には覚えていないし、話が下手なので、しどろもどろで変な言い方をしてしまったかもしれませんが、「週刊俳句」は権威がない、ではなく、「週刊俳句」は権威を感じさせないところがよい、と言いたかったのでした。
同じようですが、ちょっと違うので書きました。
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