2012-10-28

10句作品テキスト 飯島士朗 耳の穴

飯島士朗 耳の穴

朝寒や無頼の性の草を踏み

碧眼を見開きて食ふ石榴かな

町内を一回りして秋深し

秋燈さざなみは何運び去る

草庵に子どもの気配豊の秋

月光の入り来るらし耳の穴

憎しみのほのかに香る菊枕

銀漢やわれら声音を貧しうす

ひとりごとためこむやうにひよんの笛

襟立てて都会の音にまみれけり

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