林田紀音夫全句集拾読 285
野口 裕
一日が長いたんぽぽまたれんげ
平成四年、未発表句。達人といえども、しょうもない句を時に作る。そうした例として記しておく。
人里に終始して蝶影を生む
平成四年、未発表句。人なつっこい景。蝶に仮託した自画像でもあろう。
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踏切で待つ蝶が過ぎ鴉過ぎ
平成四年、未発表句。電車が来るには間があるが、もう警笛が鳴り出した。ゆっくりと上下動を伴いつつ蝶が渡り、続いて鴉がゆさゆさと渡る。すぐに電車が来るだろう。のどかな光景に見えるがそうでないような気もする。
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2013-09-29
林田紀音夫全句集拾読 285 野口裕
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