2013-11-03

後記+プロフィール 341

2013落選展 参加者プロフィール

1 神山朝衣 かみやま・ともえ
1967年生まれ。平成12年クンツァイト入会。依光正樹に師事。

2 黒木韻石 くろき・いんせき
1971年生まれ。無所属。

3 嵯峨根鈴子  さがね・すずこ
同人誌「らん」同人。句集『コンと鳴く』『ファウルボール』神戸市在住。

4 佐藤文香  さとう・あやか 
1985年生まれ。句集『海藻標本』。blog「さとうあやかとボク」 

5 澤田和弥 さわだ・かずや
1980年浜松市生。早稲田大学俳句研究会などを経て、平成18年に天為俳句会(有馬朗人主宰)入会。平成25年天為新人賞。現在、天為同人。俳人協会会 員。第一句集『革命前夜』(平成25年7月、邑書林)。澤田澪(さわだみお)のペンネームにて、個人誌「逸」(花森こま編集・発行)参加。合同句歌柳集 『君住む街角』(花森こま編、平成25年3月、文學の森)。

6 杉原祐之 すぎはら・ゆうし
1979年生まれ。「慶大俳句」を経て「山茶花」「夏潮」に所属。平成22年第一句集『先つぽへ』を上梓。2012年7月よりカナダ・トロントへ単身赴任中。 

7 杉山美鈴 すぎやま・みすず
平成23年4月より朝日カルチャーセンター横浜校の俳句講座に於いて、今井聖氏に師事。平成25年4月「街」入会

8 髙勢祥子 たかせ・さちこ
1976年神奈川県生まれ。「鬼」会員。句集『昨日触れたる』(2013)

9 高梨 章 たかなし・あきら
1947年1月1日生まれ。大学非常勤講師。俳句歴四年。所属結社なし。

10 津野利行 つの・としゆき
俳句歴5年目です。

11 ハードエッジ
Twitter専業俳人です

12 堀下 翔 ほりした・かける
2012年、第15回俳句甲子園全国大会出場。2013年2月より「里」同人。同年、第16回俳句甲子園全国大会出場。高校3年生(北海道旭川東高等学校)。

13 前北かおる まえきた・かおる
1978年島根県生まれ。慶大俳句、「惜春」を経て、「夏潮」創刊に参加する。
第1回黒潮賞受賞。2011年第一句集『ラフマニノフ』上梓。
ブログ http://maekitakaoru.blog100.fc2.com/

14 山下つばさ やました・つばさ
1977年生まれ。2007年「街」入会。2008年「海程」入会。共著『俳コレ』。

15 山田露結 やまだ・ろけつ
1967年生まれ。愛知県在住。銀化同人。共著『俳コレ』(2011・邑書林)。句集『ホームスウィートホーム』(2012・同)。共著『再読 波多野爽波』(2012・同)

16 吉井 潤 よしい・じゅん
句歴4年になるが、時と共に詠めなくなるのはどうしてなのだろう。始めた頃は楽しかったのに。メンバーも減り月並みで句会に行くのも煩わしくなった。もっと刺激を求めて投稿する。

17 すずきみのる 
1955年生まれ。京都市在住。俳人協会会員。「参」「鼎座」所属。句集『遊歩』。 『日々録』ブログ版



後記 ● 上田信治

今週は「落選展」です。

ごらんのとおり、16作品が並びました。ごらんのとおり、句歴も年齢もその人が俳句に求めるものも様々で、そして様々に面白い。

おって鑑賞記事も掲載していく予定です(今年も、なるほどという方にお願いしました!)どうぞお楽しみに。

自分は、今年は各作品のコメント欄に感想を書かせていただこうかと思います。
みなさまも、気になる作品ありましたら、ぜひ。

コメントの書き込み方



いい句は、誰かが「いい」と言わないと、それと気づかれないこともあります。

虚子の「川を見るバナナの皮は手より落ち」。平畑静塔があんなに言って、人が繰り返し論じていなかったら、自分は自力でこれを名句と認められただろうか、と思うことがあるのです。

そういえば、田島風亜さんのこともありました。

一昨年の「落選展」への参加作品を、高山れおなさんが『俳句』誌上で評価された。そのことがきっかけになり、句集『秋風が……』は、おそらく、田島さんが思われていた以上に、多くの未知の読者をえた。

自分は、その2011年の鑑賞記事で、いくつも「いい」句を見逃していました。50句をパッと見たときの先入観から、作品に向かう構えが、腰高というか軽くなっていた。

七月は空空は意志意志は花
降る落葉発止と芝に立つもあり
雪が来て雪雲が来てすべて雪
冬耕の人より満ちてゆく景色
パンジーの吹かれてやぶれかぶれなる
鳥の巣や去年の今頃は何を


その後、田島さんが亡くなられたことと、句集を遺されたことを知り、結社「光円」の方に御本を送っていただきました。

同封のお手紙から、田島さんがあの50句を「上田信治さん宛に出す」と言われていたことを知りました。

自分は、自分を羞じ、悔やみました。

皿うどん春の山へと続きをり
秋風が芯まで染みた帰ろうか
冬草や海辺に市の立つごとく
春の闇水の重さの魚のゐて
蓮池に光の満ちて枯れ始む


句集『秋風が……』より



これは(後悔の話でもあるのですが)「いい」句発見の機会はつねに自分の前に開かれているという話でもあります。

どうぞ、読んでみて下さい。ぜんぶじゃなくてもいい。きっと意外な「いい」句がありますから。

2011年から続いて出して下さっている方も、いらっしゃいます。
自分もまたじっくり、楽しみつつ、読ませていただきます。
  


それではまた、次の日曜日にお会いしましょう。




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