2014-03-02

後記+プロフィール 358

後記 ● 西原天気


「週刊俳句」創刊7周年記念オフ会を4月19日(土)に開催いたます。詳細はこちらです。お誘い合わせの上、ぜひご参加ください。

 

白井健介さんは第211号(2011年5月8日)に続き二度目の10句寄稿をいただきました。

 

吾子俳句、50句!

なんと凶暴な試みでしょう。

新妻懐妊を詠んだ「戸をたたく」10句(第339号・2013年10月20日掲載)の続篇というべき山口優夢さんの「春を呼ぶ」は、もうなんと申し上げてよいのやら、わかりませんので、「ご出産おめでとうございます」とだけ、心を込めて叫んでおきます。

 

ところで、この数年、私の存じ上げている若手俳人諸氏のご成婚が相次ぎました。その流れでお子さんも生まれる。こちらまでうれしくなる、めでたいニュースです。

新婚生活を詠み(デレデレ)、お子を授かる喜びを詠む……。

とかく俳句世間には、吾子俳句、孫俳句が毛嫌いされる傾向があります。理由は例えば、そんなこと、こっち(読者)は知ったこっちゃない。

しかしながら、私は、そういう句(ついでにデレデレ句も含め)、アリと思っています。賛成派です。我が身に起こる出来事を句にすること、句にしたいと思うことは自然だし、それって、アリです。

ただし。

ただしです。

万万が一、例えば「離婚」というようなことに、このさきなったとき(仮にです。万万が一です)、そのときは「離婚」を詠んでいただきたい。そこを怠るようでは、俳人の名が泣きます。

そしてそれを週俳に寄稿いただきたい。

結婚とそれに続くさまざまな幸福が人生なら、思わぬ結末、不本意な選択もまた人生です。そこは、もう、きっちりと俳句にしていただきたい。そう切望するものであります。

(個人的な見解を申せば、その種のお別れを一概に不幸とは考えていません。離婚できずにずるずると泥沼にはまり続けるほうがよほど不幸でしょうよ、というケースも見聞きしているだけに)

 

句集を読む(上野葉月さん)、週俳2月の俳句を読む(福田若之さん)ほか、いつもながら充実。ゆっくりお楽しみください。

 

それではまた、次の日曜日にお会いしましょう。


no.358/2014-3-2 profile


白井健介 しらい・けんすけ
1967 年東京生まれ。90年夏ごろに作句を始める。94年「門」入会、現在「門」同人。俳人協会会員。07年12月より荒川区立荒川老人福祉センター定例事業 「俳句教室」常任講師、ならびに受講修了者有志による俳句サークル「八千草」を継続して指導。09年より荒川区南千住を拠点とする俳句サークル「桃青」に 参加、指導を担当する。

■山口優夢 やまぐち・ゆうむ
1985年、東京生まれ。東大・早稲田な ど東京の学生俳句サークルやTHCなどの超結社句会に参加。第六回俳句甲子園団体優勝・個人 最優秀賞。第二回龍谷大学青春俳句大賞大学生部門最優秀賞。第四回鬼貫青春俳句大賞優秀賞。好きな惑星は火星。2008年12月より銀化所属。アンソロ ジー『新撰21』(2009)に参加。2010年第56回角川俳句賞受賞。ブログ「そらはなないろ」  

■小林苑を こばやし・そのお
1949年東京生まれ。「里」「月天」「百句会」「塵風」所属。句集「点る」(2010年)上梓。

■上野葉月 うえの・はづき
豆の木、THC、金曜句会、ブログ「葉月のスキズキ」


福田若之 ふくだ・わかゆき 1991年東京生まれ。開成高校在学中に俳句部に入り、句作をはじめる。現在大学生。共著『俳コレ』。

■生駒大祐 いこま・だいすけ
1987年三重県生まれ。「天為」「トーキョーハイクライターズクラブ」所属。「東大俳句会」等で活動。blog:湿度100‰

■馬場古戸暢 ばば・ことのぶ
1983年生まれ。自由律俳句(随句)結社「草原」同人。

■野口 裕 のぐち・ゆたか
1952年兵庫県尼崎市生まれ。二人誌「五七五定型」(小池正博・野口裕)完結しました。最終号は品切れですが、第一号から第四号までは残部あります。希望の方は、yutakanoguti@mail.goo.ne.jp まで。進呈します。サイト「野口家のホーム ページ」

■中嶋憲武 なかじま・のりたけ
1994年、「炎環」入会とほぼ同時期に「豆の木」参加。2000年「炎環」同人。03年「炎環」退会。04年「炎環」入会。08年「炎環」同人。

西原天気 さいばら・てんき
1955年生まれ。「月天」同人。句集に『人名句集チャーリーさん』(2005年・私家版)、『けむり』(2011年10月・西田書店)。ブログ「俳句的日常」 twitter

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