2014-04-27

ふらここ春の蟲祭り テキスト版

ふらここ春の蟲祭り


御器齧り富士の噴火の記憶かな  浅津大雅

蜚蠊やけふこそおまへぶつ潰す  脇田躍志朗

人の夢食ひにきておる油虫  塩分

御器被り飛べばダイヤモンドかな  吉村俊洋

蜚蠊を包む紙日付は昨日  いけ

蜚蠊の跡詠み人知らずの和歌  川嶋ぱんだ

靴紐の解けてをりし油虫  甲斐千晶

なにもみえませんごきぶりもいません  寒天

風通し良し蜚蠊に逃げ道を  仮屋賢一

ビビッドな世界を連れし油虫  栢原悠樹

蜚蠊が地球を去る日そして朝  喜川

馬鹿であれ天才であれ御器かぶり  木田智美

俳句会からの使者は ごきぶり  光

ごきぶりは行くごきぶりへ行く前に  黒岩徳将

蜚蠊や小声でするやうな話  丸山美早

ゴキブリの速しアトムになりそこね  抹茶フラペチーノ

蜚蠊を潰して軽くなる地球  中田岳俊

着ぐるみの中はごきぶりかもしれぬ  中山奈々

プリントの山は過去の香蜚蠊  野住朋可

蜚蠊とオイタナジー在り現の世  大林桂

投げかけた憐れみごきぶり押し潰す  岡田朋之

黒髪を持て余したる油虫  鯖江

小野さんのオシャレメガネは蜚蠊  沙汰柳蛮辞郎

ワイドショー蜚蠊と見る代休日  さしはら

御器齧り這うやトンカツ切る包丁  小鳥遊栄樹

御器噛進化の果てに向けて飛ぶ  寺田人

ごきぶりの隠れてをりぬしじまかな  辻本鷹之

ごきぶりの静止それから人動く  福家

ごきぶりを殺さずにをり詰らるる  羽田大佑

蕎麦屋より出で酒屋へ行く御器齧  東里こずえ

天変地異からの戦闘ごきかぶり  品川由衣

初恋に似てるゴキブリ、ひさしぶり  山本たくや

物語一冊抜いて油虫  山下舞子

蜚蠊や母性に縛られてをりぬ  やそーか

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