自由律俳句を読む47
風呂山洋三〔1〕
馬場古戸暢
風呂山洋三(ふろやまようぞう、1971-)は、宮城県在住の自由律俳人。尾崎放哉の句に感銘を受け、2012年より自由律俳句を始める。同年、河東碧梧桐と中塚一碧楼に関心を持ち、自由律俳句結社『海紅』の門を叩く。翌2013年、さらなる活動の場を広げるべく、自由律俳句集団「鉄塊」に参加。
懐かしい人と会う秋めく夜だ 風呂山洋三
個人的には、相手は同性であってほしい景。こうした再会は、秋めく夜にこそふさわしい。
木立の影刺す冬のベンチの身の上だ 同
冗長な雰囲気が、冬の日中の空気を描いているように思う。この身の上には、木立の影のほかにどのような困難(?)が刺さっているのだろうか。
オリオンの瞬き授かる仕事帰りだ 同
私たちが生きているうちに、オリオン座の輝きがひとつ失われてしまうのだとか。そうした時に生きられたことに、そして仕事をできていることに、感謝したい。
障子開ければ祖母の見ていた祖父の松 同
祖父母の家での景だろう。祖父も祖母も、もうこの世にはいない。庭先にそびえる松に、祖父と、祖父に先に逝かれた祖母のことを想うばかりである。
肩落とした先の土筆伸びてら 同
いろんなことが起ころうが、季節はめぐり土筆が伸びる。明日もやっぱり頑張ろう。
2014-06-15
自由律俳句を読む47 風呂山洋三〔1〕馬場古戸暢
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 comments:
コメントを投稿