世界は俳句で出来ている
【今週の五七五】
俳句よむ いけてるギャルは このわたし!
西原天気
「今週の」というと毎週のようですが、ぜんぜんそんなことはありません。ずいぶん久しぶりです。
≫過去記事
なんと4年ぶりです。
さて、
俳句よむ いけてるギャルは このわたし! はいくちゃん
「はいくちゃん」は三重県伊賀市のご当地キャラ、ゆるキャラです。
「上半身裸で町を歩く」はツワモノというのとはちょっと違うと思うのですが、そうした奇行・蛮行の以前に、見るからに凶暴そうなところ、人の気持ちを逆なでするような顔つきは、どうなのでしょう? ゆるキャラ的に。
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「俳句」といえば「俳都宣言」したとかの松山市、という意見もありますので、そちらの「ご当地キャラ」を見てみますと(≫http://www.city.matsuyama.ehime.jp/shisei/matsuyama/yuru.html)。
8体って多くないですか。
俳句関連は見つかりません。
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「ゆるキャラ」は、いわば微笑ましい失敗、悦ばしい奇妙さを着ぐるみのご当地キャラに見出す態度です。前提として「本気」が欲しい。というより、本来は、本気でご当地キャラを仕立てあげようとした、その際に、何を間違ったのか、ゆるく奇妙な失敗作が出来てしまった。しかしながら、そこのところの「ちょっとした間違い具合」をこそ、あえて愛していこうという態度。
ところがブームとなると、ブームを当て込み、はじめから「ゆる」を目指したような着ぐるみが増えてしまった。それでは妙味がありません。
さて、掲句。
「あの、ちょっと、いいですか。あなたさまのどこをもってして『いけてる』と申されているのでしょうか?」などとオトナゲナイことを言ってはいけません。
で、ひとつだけ。繰り返し指摘されているにちがいありませんが、あらためて。
世の中で「俳句」と宣言して無季の五七五であることの、どれだけ多いことか。
「ギャル版松尾芭蕉」の「はいくちゃん」が、こうも堂々と無季俳句をものするわけですから、俳人協会も、方向転換すべきではないでしょうか。
(ウソですよ。冗談ですからね)
なお、「はいくちゃん」は2008年9月23日に誕生。いまでもどこかにいるのでしょうか。
と言ってみたものの、消息その他いっさい興味がありません。
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