〔今週号の表紙〕
第390号 無花果
喪字男
子供の頃、時々無花果を食べた記憶がある。あれは親がどこかから貰って来たものだったのだろうか。それとも買ってきたのだろうか。当時の僕は無花果のことを『ババくさい果物』のように思っていた。
妻が去って、ひとりで暮らすようになると自然とスーパーによく行くようになる。いつもは生活の匂いに圧倒されて用事を済ますとさっさと帰ることにしているのだけれど、「朝採れ無花果298円」のポップが目に入ってつい買ってしまった。
俳句をしていなければ、無花果を買うことはなかっただろうと思う。今は無花果のことをとてもセクシーな果物だと思う。熟女の良さもわかったということなのだろう。
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