2014-10-19

〔今週号の表紙〕第391号 猫じゃらし 雪井苑生

〔今週号の表紙〕
第391号 猫じゃらし

雪井苑生


そういえば「猫じゃらし」で猫をじゃらしたことないなあと思い、道端で1本抜いて持ち帰り、試してみた。

やっぱりじゃれるじゃれる、子猫ならともかくうちの猫らはもう7歳、兄妹猫なのだが妹のほうはクールで全く人に媚びない可愛くないヤツ。その彼女でさえ、これでからかうと夢中になって追いかけたり飛びついたりする。予想通りの動きをするのでこちらも可笑しくて。

ネズミだの虫だの小鳥だの、狩の実績はたっぷりある彼らだが、それでも猫じゃらしを見ると子猫みたいになってしまうのね。ということで猫じゃらしの名にウソはないと報告する次第です。

正式名は「狗尾草」で犬のしっぽからきているそうだが、では犬はじゃれるのだろうか、うちの犬は興味を示さない。もっとも「子犬のワルツ」じゃないけど、子犬が自分のしっぽを追いかけてぐるぐる回るのは見たことがある。

この狗尾草、粟の原種なので食料にもなるそうで、飢饉の時に食べた記録があるとか。あまりにもありふれた身近な草だけど、夕日に透ける穂がなびいているさまは美しく、秋ならではの感傷と郷愁を呼び起こすようだ。



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