〔今週号の表紙〕
第424号 蜘蛛と紫陽花
西原天気
暑い日が続いたかと思うと、急に雨がちになりましたね。
蜘蛛も紫陽花も、ちょっと変わった字を書きます。どちらも日本の呼び方に中国の字をあてたもの。蜘蛛は「蜘」も「蛛」もクモのことらしい。
紫陽花は、中国では別の花をさすという話も聞いたことがあります。日本語(和語)に漢字をあてたとき、よくある話です。
読みは歴史的仮名遣いで「あぢさゐ」。「ぢ」とか「ゐ」が〈旧仮名フェチシズム〉をくすぐります。私も「紫陽花」よりも「あぢさゐ」のほうを使いがちです。
この「ぢ」は、「あづ/あぢ」が「小さなものが集まる」の意。「あつまる」も同源でしょうから、「じ」ではなく「ぢ」なわけです。
「さ」は「真」の意、あるいは接頭語だそうです(「さなか」の「さ」でしょうかね?)。
「ゐ」は藍(あゐ)だから「ゐ」。
俳句は歴史的仮名遣いで書くべき、なんて、これぽっちも思いませんが(新仮名でも旧仮名でも、好きに選んで好きに書けばいい)、歴史的仮名遣いは文字どおり歴史を調べてみる愉しさがありますね。
なお、撮影はずいぶん前。マニュアルカメラとポジフィルム。歴史的撮影方法です。
●
週俳ではトップ写真を募集しています。詳細は≫こちら
0 comments:
コメントを投稿