自由律俳句を読む 98
青木此君桜〔2〕
馬場古戸暢
一と足うしろへ牛がうごいた 青木此君桜
音のない、静かな句。以前にも書いたが、牛が日常にいる生活への憧れを未だ捨てられないでいる。
顔ぼうぼうとあつくわらをたく 同
焚き火の句をいつか詠みたい詠みたいと思いながら、ついに詠んでない。焚き火をしたことがもう数十年単位でないからである。現代っ子なのである。
ここにひかりあつめているほうせんか 同
ひらがながかもし出す柔らかさが、よく出ている句。
小蟹の一番ちつこいのをかわいがる 同
この露骨なまでの分け方を区別と呼ぶか差別と呼ぶかで、呼ぶ人の能力が問われる。ちつこいのは仕方ないなあと思う。
一と鉢の黄菊 同
五四の韻律が、記憶に残りやすい。足らない感じも含めて、短くてよいと思う。
2015-06-21
自由律俳句を読む 98 青木此君桜〔2〕 馬場古戸暢
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