からころ水 宮﨑玲奈
夜の枇杷つまむ会へなくてつらい
テレビから音出て黴のコンセント
蟻の隊列見事に添ふる長さかな
麦茶注がれていびつな氷だと気づく
葛餅の皿がもつとも蜜に濡れ
ヤギの乳あらはにあきらかに夏だ
水からくりからころ水濡れてからころ水
がつかうのおほかたが夜扇風機
日盛りの中の都会の小さな雲
たしかな蟬がたしかに死んでゐるそこで
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2015-08-02
10句作品テキスト 宮﨑玲奈 からころ水
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