柴田麻美子 雌である
子の宿る体を洗う薄暑かな
夫梅雨の匂いを連れて帰宅せり
水蜜桃かじりて我は雌である
知り合いもなくて夏祭りに二人
風鈴の揺れれば胎児宙返る
子は生まれいつかは死ぬる油蟬
血管の透ける乳房の汗ばめる
夕焼を見たいとせがむお腹の子
日盛のピアスの耳に触れらるる
コンビニの麦茶と弁当妊娠九か月
2015-08-09
10句作品テキスト 柴田麻美子 雌である
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photo by Tenki SAIBARA
柴田麻美子 雌である
子の宿る体を洗う薄暑かな
夫梅雨の匂いを連れて帰宅せり
水蜜桃かじりて我は雌である
知り合いもなくて夏祭りに二人
風鈴の揺れれば胎児宙返る
子は生まれいつかは死ぬる油蟬
血管の透ける乳房の汗ばめる
夕焼を見たいとせがむお腹の子
日盛のピアスの耳に触れらるる
コンビニの麦茶と弁当妊娠九か月
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