〔今週号の表紙〕
第462号 座禅草
有川澄宏
春の訪れを告げる「座禅草」。ほぼ一月から三月頃に咲きますが、ところによっては初夏に花を見せる地方もあるようです。山地の湿地に咲く花なので、高低差によって、咲く時期が違ってくるし、北に行けば平地でも見られます。
雪解けの湿地は足場が悪く、花にピントを合わせるのがやっとで、仏さんに見立てる、あの独特な花序が写るように、絞りを操作するのを忘れてシャターをおしてしまいました。
でも、仏さんの光背に見立てた花弁の後ろから、春の明るい光が射して一方に影を作っているのだと、良い方に解釈し、仏さんは想像の世界に居てくれれば充分と思っています。
この花を達磨大師の座禅する姿と見て、ダルマソウ(達磨草)とも呼ぶそうです。
田中澄江さんの「花の百名山」では、長野県の山でこの花を挙げていますが、私は関東では群馬でしか見ていません。あと北海道の平地で。
なお、8都道府県で絶滅危惧種に指定されているようで、大切にしたい花です。
東京と埼玉にまたがる狭山丘陵には、ミニチュアのような「姫座禅草」の群落があります。
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