【八田木枯の一句】
春なれや生きて忌日にかこまるる
西村麒麟
第5句集『夜さり』(2004年)より。
春なれや生きて忌日にかこまるる 八田木枯
言うまでもなく、世の中は死者だらけなので、毎日が誰かの忌日に当たる。偉い人や偉くない人、家族や友人、会ったこともない親戚、長く生きれば生きるほど、多くの死を感じることとなる。
あたたかい陽射しの中、人の死が、ぽかぽかと思い出される。ぼんやりしていると、あの世との境界線があやふやになりそうだ。死を想うなら、春が良いだろう、秋や冬には寂し過ぎる。
幽霊なんてものは、見えないから良い。知り合いでもなかった人の魂は、こちらが死ぬまでは、見えなくても良い。
そう言えば、三月には立子忌、誓子忌日、龍太忌等がある。あ、木枯さんも三月でしたね。木枯さんになら、またお目にかかりたい。ルノアールでの句会がこの頃ひどく懐かしい。
あぁ、春だなぁ。
2016-03-13
【八田木枯の一句】春なれや生きて忌日にかこまるる 西村麒麟
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