2016-05-15

10句作品テキスト 雨の木 野間幸恵

 雨の木   野間幸恵

雨を書く生まれてくる日に追いついて
木の樽は静かなLとRかな
睡眠と思うシマウマでは近い
牛乳のどこかに語尾がふくらんで
木は森に友が答えのように来る
good-byeと鰯の群れを思いけり
木の話そして新しき方角
海岸をなぞるパンを焼くように
雨の日はつるうめもどき広いかな
かたくなに三半規管だろう雨


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