2016-07-03

10句作品テキスト 夏の空 遠藤由樹子

夏の空    遠藤由樹子

砂時計のくびれを落つる蛍かな

昼顔や孵りたてなる雛の嘴

みづうみに向く籐椅子の遺品めき

青柿も実梅もわれも雨の中

合歓の花ぽつんぽつんと夢滲む

目凝らせば梅雨の燕のかく高く

花鬼灯喪服の傘のとりどりに

眠る子にプールの匂ひかすかなり

揚羽蝶連れて飛び石渡りけり

シーソーに一人は静か夏の空

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