2016-07-31

〔今週号の表紙〕第484号 夕菅 有川澄宏

〔今週号の表紙〕
第484号 夕菅

有川澄宏



朝開いて夕方しぼむニッコウキスゲなどは、高原などでしばしば大群落をつくりますが、ユウスゲは高原の片隅で、夕方、ひっそりと咲き初めて真夜中に満開となり、翌朝にはしぼみます。大群落はつくりません。

この控え目なところが良いですね。

表紙の写真は、菅平高原で撮った一枚です。友人大勢で共有していた山荘を朝早く発ち、牧場の縁を通って、根子岳(2207m)に登り、帰りはスキー場を野草や山菜など探しながらゆっくりと降ってきます。山荘までもう一息というところで腰を下ろすと、目の前の小高い草原の斜面で、パラグライダーを楽しむ人達が声を掛け合っています。

風を待っているのです。風に乗って自然と一体になる瞬間を待っているのです。見ているこちらまでわくわくしてきます

「また駄目かなー」「おっ、今度は上手く乗った」などとしばらく楽しんだあと、さてそろそろ帰ろうかと、振り返ると、風待ちの丘に夏の陽が隠されてできた日陰の草原のあちこちに夕菅が涼しげな色で咲いていました。

秋がそこまで来ています。


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